書評を読んで愕然とした。
寛弘三(1006)年、左大臣の藤原道長は、一条天皇の中宮彰子の世話役として紫式部を御所に迎え入れた。我が娘の彰子に皇子を生ませたい道長は、式部によって紡ぎ出される大人の愛の物語が彼女に力を与えると信じて疑わなかった。式部が彰子に語り聞かせる魅惑の物語―。輝くばかりの美貌と才能を持つ光源氏と源氏に心を奪われる女性たち。だが、愛する女性を不幸にしてしまう自らの運命に傷ついた源氏は、魔道に墜ちて鬼と化し、作者・紫式部の前に立ち現れる。陰陽師・安倍晴明が怨霊と対峙するが…。新機軸で綴られた全く新しい源氏物語。
源氏物語 悲しみの皇子 - はてなキーワード
そりゃ、あんまりだろうと。
物語があふれ出してしまうのは、「はてしない物語」で十分。
余談はともかく、聞いた話なのだが「原作」には清少納言が出てくるのだと。そして、紫式部が道長への愛憎で苦しむのは、清少納言が道長と関係しているからなのだと。時代考証的にはかなり難がある。
ちなみにwikiから推定の生没年を引いてみる。
- 藤原道長 - Wikipedia 966 - 1028
- 紫式部 - Wikipedia 978? - 1016?
- 清少納言 - Wikipedia 966頃 - 1025頃
紫式部は970年頃だという説もあるので、まあ年代的にはありえない訳ではない。映画の中でなぜ紫式部が道長への愛憎で苦しまなければならないのか、語られていない。清少納言が出ると2時間の枠では収まらなかったのかもしれないが、現実の愛憎関係、物語の愛憎関係と二重に語れることになる。シェークスピアは、リア王のリアとコーディリアの関係を、グロスター伯とエドガーと繰り返し語り、悲劇を盛り上げている。どうようのドラマツルギーが生かされても良かったのではないだろうか。
角川書店のキャンペーンページはかなり派手。
源氏物語 ー千年の謎ー | 角川書店