HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「社長学」

不遜のようだが、この本は社長の立場にならないとわからないと思う。

一倉定の経営心得

一倉定の経営心得

「社長は社内に混乱をまき起こせ」、「ワンマン経営こそ本当である」など、一般の経営学とはまるきり反対のことがたくさん書いてある。また、有能なサラリーマンであればあるほど「常識外れだ!」、「社員のやる気を無視している!」と叫び出したくなるはずだ。

この本に書かれていることほぼすべてに私は同意する。社長の立場は社長の立場にたたないと分からない。どれだけ経営学やら、リーダーシップ論やら、HRMやら、会計学を極めた人でも、セカンドで会社を仕切っているときにはわからない社長ならではの役割がある。

ある人から、よく「ゴルフでレギュラーティーとバックティーの両方に立ってみろ。どれだけ視点が違うかわかるだろう。会社でセカンドにいるのと、トップにいるのとの視点が違いだ。」と言われた。完全に同意はしないが、立ったことのない人への比喩としては正しい。

スティーブ・ジョブズは経営者としてみたら、破綻していた。しかし、社長としては極めて優れた人物であったと私は思う。人にまねできるものではない。ジョブズだからできたのだ。社長学から見れば全く正しい。

スティーブ・ジョブズ名語録 (PHP文庫)

スティーブ・ジョブズ名語録 (PHP文庫)