HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「ヒア アフター」

深夜零時過ぎ、いきつけのクラウド9のカウンターではるくんの作ってくれたボンド・マティーニをすすっていた。十二分にいい気分だった。

はるくんが語ってくれた「今年見た中のベストムービー」の話しも、十二分に興味深かった。「冒頭の洪水シーンがすごいんですよ。ほんとうに震災の時にテレビで見たままがそこにあって。日本での公開は中止になったんですが、3月11日があって、4月に公開予定だったていうだけでなにか運命的ですよ。しかもそれが、主人公三人をつなぐものと関連してて・・・。」*1

それが、「ヒア アフター」だった。

あまりネタバレはしたくない。

確かにはるくんのいう冒頭のシーンは、もう圧巻だった。震災の津波を予言したのではないかと言われても仕方ないくらいリアルだった。だが、個人的に共感をもったのは、キューブラー=ロスを思わせるドイツ語をしゃべる、ホスピスの女医さんだった。死に逝く人の話を聞くという行為は尊いのだと改めて思った。

死ぬ瞬間―死とその過程について (中公文庫)

死ぬ瞬間―死とその過程について (中公文庫)

静かに死を見つめる映画が多くの方から共感を呼ぶことは、なにかの弔いになる気がした。

*1:コメントで教えていただいた。本当は2月19日からすでに公開中だった。ヒア アフター - Wikipedia