あまりものを食べなくとも生きていけるものだ。韓国から帰って来て、からだを休めなかったのが災いしてか、おなかをひどくくだしてとまらなくなった。30分、1時間おきにトイレにいかなければならないのだからたまらない。
医者に診てはもらっているので、伝染病や食中毒ということはない。ただやめられないとまらない状態。
食事もほとんど絶食していた。味噌汁か、うどんを少し。一日一食以下。それでもなんとか働けるから人間の身体ってすごい。
水は飲んでいたのだがそれでも脱水症状気味だった。ひとからポカリがいいよと勧められて、飲み始めたらだいぶ症状は緩和された。
正法眼蔵随聞記に食分という話しがあった。ある男が死んで閻魔様の前に引き出された。閻魔様見ていわく、「まだこの男の命分(寿命)はつきてないではないか?」、と。地獄の役人が調べて答えた。「命分はつきていませんが、この男は生前贅沢に飲み食いしすぎました。食分はつきています。」「では、桑の葉でも食べさせればよい」と閻魔様。生き返りはできたもののこの男は残りの人生を桑の葉だけ食べて過ごさざるを得なかったと。
食分の話は、いかに自分が必要以上のものを必要だと思い込んでいるかを教えてくれる。離れがたいと思い込んでいることが、離れざるを得ない事態に陥れば離れられるものなのだとも知った。今回の体調不良を幸いにして経験して体感することができたと言える。これからの生き方を考え直すチャンスであった。
そうはいっても、周りの方に多大な迷惑と心配をかけ、多くのアポイントをキャンセルさせていただいてしまったことを反省し、お詫び申し上げたい。