HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

デイ5 : 輪番停電は地方破壊テロだ

今日、ある地方都市にある上場企業の本社にいた。かなりの数の事業所を統括する本社機能を果たしている。そこでは、まもなく停電になるということだけで業務が停止していた。停電予定1時間まえには全体の招集をかけて準備していた。当然、各事業所も本社が業務停止状態になっているわけだから、相当な負担になっていただろう。だが、定刻になっても停電にならなかった。

某国から出稼ぎに来ていた知人から電話があった。「もうお店もしめちゃったから、国に帰る。いつまた日本に戻ってくるかわからない。」もう人の流出も始まっているのかもしれない。

原発の対応は語るに落ちる。間違いなく一連の爆発が日経平均株価を10%以上も下げた。日銀がどれだけ資金注入しても、リスクを取ってその金を借りて投資する企業家がいなくては金は使われない。株というのは、リスクをとったお金がどれだけ企業の未来に投資されつづけているか、その加速度のひとつの指標だと私は信じている。10%ダウンとは、現在価値で10%以上投資機会が喪失されたのだ。10%未来がしぼんでしまったのだ。

製造業は、連続する工程でモノづくりをしている。だから、停電の予告だけで業務が停止する。製造業を殺すにゃ、刃物はいらぬということだだ。ガソリンの不足が日々深刻になっていっているが、石油精製も同じことではないか?停電の恐怖だけで石油の精製すら止まりうる。

あまり報道されないが、関東地方におけるインフラの損傷はあんがい激しい。仕事柄どれだけ想定外の修復費用がかかるか想像できる。ここで復興にむけて期待が高まれば、借金をして大きな費用を負担してでも復興しようという機運がおこるが、将来の収益がしぼみ、人が流出し、日本経済のアキレス腱があらわになった日本に対して、いま果たしてそこまでのファイトがわくだろうか?

中央だけがあれば生きていけるのか?それは違うと私は信じている。微細な構造、地方を支えて来た背骨をこの輪番停電は、停電するという予告だけで破壊している。地方が死ねば、中央も死ぬ。

不本意だが、やはり電力の傾斜配分しかないだろう。出勤時間前までは産業分野の電気を止め、日中は逆に家庭の電気は停止させる。不公平感はあっても、停電のリズムも一定にしないと混乱は広がるばかりだ。そもそも、今回の整然として私の周囲の方々の行動を見ていると、何時から何時までは家庭の電気を消してください、通勤など移動は公共交通機関だけを使って、あとは歩いてくださいという「お願い」だけでも電力消費は相当に押さえられるに違いない。今回の輪番制は、不公平感をなくすために起案されたのだと信じるが、もっと国民を信じていいのではないか?

この状態が1ヶ月も続いたら、企業倒産がばたばたでてくるだろう。

生産なくして復興なし。消費なくして経済なし。安心して、生産、消費できる傾斜計画停電にせめて切り替えよ!

■参照

至極同感。

めずらしくid:chikirinさんに全面同意。

日本脱出続く。


■参照 その2

まさしくその通り。