最近、ほとんどアルジャーノン状態で、本がすっかり読めなくなってしまった。ちょうど6年前、ブログを始めるまでは「もう読むべき本なんてないな」とすっかり、忙しさにかまけて読書の習慣を放棄してしまいそうだった昔に戻ってしまったようだ。*1
- 作者: ダニエルキイス,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1989/04
- メディア: 単行本
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こういうときは、背伸びをせずに子どもの時代にもどったつもりで本を読む。「奇巌城」はその意味でとても楽しい読書であった。
- 作者: モーリスルブラン,南洋一郎,Maurice Leblanc
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 1999/12
- メディア: 単行本
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解説を書かれた佐藤宗子さんの体験と重なる。
深閑とした洋館。夜陰の物音。息をひそめて様子をうかがう少女。・・・
小学校5年の私が、ごつごつとした題名−−−奇巌城という漢字も、キガンジョーという発音も、かたくいかめしい−−−、なまなましい挿絵−−−当時の版では、きわめて写実的でたじろぐほどだった−−−にもかかわらず、初めて手にしたルパン物にひきこまれたのは、この発端の、何とも巧みな設定のおかげでした。
子どものころの読書って、場面場面がカラーだったように思う。とてもヴィヴィッドにひとことひとことからイメージを喚起できた。あの子どものこころで本を読みたい。
ちなみに、ルパンをかくまい、看病したクラリスは、この奇巌城のレイモンドから宮崎駿が発想したのだろう。ああ、そう、きっといまでも宮崎駿という人は、いまでも少年の日の心*2で本を読める人なのだ。
- 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
- 発売日: 2001/04/26
- メディア: DVD
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*1:なつかしい。 http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/01/post.html でも、ブログで最初に書いた記事が書評のリストということは、自分が記憶しているよりは本を当時も読んでいたのだろうか?
*2:id:activecute typoご指摘いただき、ありがとうございました。