HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

池田先生の本で初めてマルクスを近しく感じた

池田信夫先生の本の細部に反応してみる。フラットな世界は必然的に到来し、経済は長期的には停滞にはまるのだと、100年以上前からみんな言っているそうだ。

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学

遠い昔からの民族的な産業は破壊されてしまい、またなお毎日破壊されている。これを押しのけるものはあたらしい産業であり、それを採用するかどうかはすべての文明国民の死活問題となる。[中略]昔は地方的、民族的に自足し、まとまっていたのに対して、それに代わってあらゆる方面との交易、民族相互のあらゆる面にわたる依存関係があらわれる(『共産党宣言』)

マルクスケインズシュンペーターも、資本主義が拡大するとともに収穫は逓減し、長期停滞がやってくると予言した。

ブログを始めてフラットな世界が広がるなか、日本が100年前の世界へもどりつつあると感じたのも、新城カズマさんのキャラがシミュレートした日本の未来も、マルクスが100年以上前にすでに言っていたということだ。

しかし、この100年以上、いや、1万年にわたって、人の「なにくそ!」という気概は常に変化を作り、不均衡を作り、発展をもたらしてきた。グリーン革命がマルサスに打ち勝ったのだとという話は実に痛快だ。

「食糧危機」をあおってはいけない (Bunshun Paperbacks)

「食糧危機」をあおってはいけない (Bunshun Paperbacks)

本書に書いたある処方は結局は、絶望して、企業もつぶれるし、人も職を失いながら、価格が安くなり、生活水準が下がることでしか均衡に達しないというように読める。最後の章にイノベーションを持ってきてくださっているのが、救いか。人の気概がイノベーションをもたらすのだと私は信じる。

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51301596.html