池田信夫先生の本の細部に反応してみる。フラットな世界は必然的に到来し、経済は長期的には停滞にはまるのだと、100年以上前からみんな言っているそうだ。

- 作者: 池田信夫
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/10/09
- メディア: 単行本
- 購入: 12人 クリック: 492回
- この商品を含むブログ (53件) を見る
遠い昔からの民族的な産業は破壊されてしまい、またなお毎日破壊されている。これを押しのけるものはあたらしい産業であり、それを採用するかどうかはすべての文明国民の死活問題となる。[中略]昔は地方的、民族的に自足し、まとまっていたのに対して、それに代わってあらゆる方面との交易、民族相互のあらゆる面にわたる依存関係があらわれる(『共産党宣言』)
ブログを始めてフラットな世界が広がるなか、日本が100年前の世界へもどりつつあると感じたのも、新城カズマさんのキャラがシミュレートした日本の未来も、マルクスが100年以上前にすでに言っていたということだ。
しかし、この100年以上、いや、1万年にわたって、人の「なにくそ!」という気概は常に変化を作り、不均衡を作り、発展をもたらしてきた。グリーン革命がマルサスに打ち勝ったのだとという話は実に痛快だ。

「食糧危機」をあおってはいけない (Bunshun Paperbacks)
- 作者: 川島博之
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/03/26
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 69回
- この商品を含むブログ (36件) を見る
本書に書いたある処方は結局は、絶望して、企業もつぶれるし、人も職を失いながら、価格が安くなり、生活水準が下がることでしか均衡に達しないというように読める。最後の章にイノベーションを持ってきてくださっているのが、救いか。人の気概がイノベーションをもたらすのだと私は信じる。