私が読んだいくつの本から、白洲次郎の父親の文平は次郎をこよなく愛したと理解してきた。
商売が忙しかっただろうからさぞかし父親の愛情薄く育ったのだろうと思われるかもしれないが、むしろ逆であり、文平は動物の親が子供を舐めて慈しむようにして愛情を注いだ。自分が家にいるとき、次郎が学校から帰ってくるのが遅いというだけでイライラし、そうした顔を周囲に見られたくなくて檻の中の猛獣のように家の中を歩きまわる。
今回のNHKのドラマの原案とされる「白洲次郎 占領を背負った男 上 (講談社文庫)」からしてこう書いてある。まして、「お前の顔なぞみたくないから英国でもどこでも行ってしまえ!」だとという訳もない。あるいは、死んでからまで次郎が文平に反抗しつづけるなど、「仕込み杖を持って肩で風を切って闊歩するような青年」であった文平と、終世在野を守った次郎の間では考えられない。金持ちは性格が悪いというイデオロギーに毒されたドラマだったのではないだろうか?*1
- 作者: 北康利
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そういえば、ブログ界隈の有名な方が白洲次郎夫妻と実際に会ったことがあられるとおっしゃっていた。白洲次郎自身が文平をどう思っていたのか、教えていただけるととてもうれしい。
■参照
id:tangkai-hatiさんに教えていただいたリンク。