HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

米国のサブプライム問題と日本のマンション業者大量絶滅時代に共通すること

両方とも、時間がたてばたつほど価値が現存していくものの価値を勘違いしたことに起因する問題。

みんな知っていることだろうけど、米国ではかなりの大都会でも土地の値段はタダみたいなもの。普通の分譲住宅で300坪くらいの区画もあたりまえだ。しかも、マンションみたいに何棟かの住宅の敷地に敷地権設定されているから、どこまで自分の土地かとか不分明だったりするし、定期的に草刈りをすることは義務以上のものがあったりする。

これも広く知られているように住宅を売り買いするときにハウスインスペクターという家屋の調査の専門家の意見がかなり重要になる。土地価格がタダみたいな分、建物の価値はしっかり見ようというわけだ。構造体から、外壁の塗り替え状態、しろありの有無、配管の状態などかなり綿密に見る。昔の米国男性にとってツールボックスは男の誇りであったので、メンテナンスは自分でやるのは当たり前だった。しかし、最近は日本なみに自分ではメンテしなくなっているとも聞く。いずれにせよ、自分でやるにせよ、業者に頼むにせよ、きちんとメンテナンスされているかいなかで不動産価格のかなりの部分が決まる。

前置きが長くなったけど、米国の住宅って所有するにも、価値を維持するにも相当の手間をかけなきゃいけないってこと。

日本でマンションに住んでいる人はわかるだろうけど、共益費から、修繕積立金から、固定資産税から、ローン以外に費用がかかる、かかる。たぶん、ローンの1割から2割くらいはなんらかの負担がかかっているんじゃないかな?しかも、これまたメンテナンスをきちんとしていかないと、100平米超のマンションだって敷地権の持ち分でいえば数坪に満たなかったりするからたちまち価値は棄損してしまう。

ああ、それに近所つきあいね。あんがい最近のマンションの値段が下落しているのは、昔みたいに同じような階層であつまってコミュニティーを作ろうとしないこともあるのかもしれない。投資目的で買った人は、全くクラスの違うテナントを入れたりして、環境極悪なんてこともあるかもしれない。この辺は最近の事情に疎いので以下カット。

かくして、前回の日本のバブル経済崩壊の時はあんがい素地の土地が残されてその後の都市再開発のリソースとして使うことができた。ところが、今回の米国のサブプライムも、都心のマンションもほっておけばおくだけでコストがめちゃめちゃかかるし、価値も下がっていく。ああ、土地の所有権とはある意味お金と同じ抽象的な権利だから棄損しないのね、価値が。まぁ、所有コストはかかるし、値下がりもするけど、資産としての価値自体は減らない。償却しない。

だいたい売れ残りのマンションで、数戸しか住んでいる人がいないのに全体の共用部分の電気をつけっぱなしにしとかなきゃいけないなんて、誰がコスト負担するんだとか思うでしょ?

いかん、いつもとトーンの違うエントリーになってしまった。ポケモンの例に、具体的なイメージを加えられるかなと思って書き始めたんだが、どうもちょっと違う結論に達してしまった。

といことで、今回の大量絶滅の後くらいがさすがに日本のマンション市場の底だろうね。*1

*1:つーか、いまが買い時だと某ソースからヒアリング。