西郷南洲はすばらしい。そのすばらしさを語れる稲盛和夫氏は超すばらしい。

- 作者: 稲盛和夫
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2007/09/20
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【遺訓三一条】
道を行う者は、天下挙て毀るも足らずとせず、天下挙て誉むるも足れりとせざるは、自らの信ずるの厚きが故也。その工夫は韓文公が伯夷の頌を熟読して会得せよ。
官僚、つまり国家公務員はいったい、誰のために仕事をしているのでしょうか。国家公務員は、パブリックサーバント、公僕として、国民のためによかれと思われることを実行し、その生活を豊かで平安がものにすることが本来の職務であるはずです。
ところが、日本の社会は、もともと「お上意識」が強く、行政官には「国のために仕事をする」という考えが深く根付いています。そのため、国家のために国民が犠牲になることも仕方がないと考えたり、国家経営を任されている自分たち行政官が国民を統治していると錯覚しがちです。
もちろん矢印をまず自分に向けなければならない。私にはこの文章はこう読めた。
ところが、日本の社会は、もともと「お上意識」が強く、経営者には「会社のために仕事をする」という考えが深く根付いています。そのため、会社のために社員が犠牲になることも仕方がないと考えたり、会社経営を任されている自分たち経営者が社員を統治していると錯覚しがちです。
今回はじめてなぜEUが死刑の廃止に熱心であるかを理解できた。国は国民に先立って存在するという時代ではすでにないのだ。国が国民をもっとも大切にするのでないかぎり、国家は存立し得ない。それは、経営者が社員を第一に考えて行動するのでないかぎり会社を保てないということと同じだ。
その上で、あえて高橋洋一さんの「日本は財政危機ではない」の冒頭の文章と重ねて読みたい。

- 作者: 高橋洋一
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もとより官僚は公僕である。彼らの給料は国民の税金で賄われている。にもかかわらず、財務省の人々は税金をたくさん集めて自分たちの自由になるお金を増やすことにしか関心がないのだ。(中略)ただ、未曾有の経済危機にある日本国の復活、そして庶民の幸福は、財務官僚の頭のなかでは優先順位がそれほど高くないのではないか。
きっと財務官僚はひとつも間違ったことをしているとか、自分たちのために仕事をしているなんて思っていない。西郷南洲翁が見抜いているように、「国のために仕事をしている」と思っているはずだ。もっといえば「財務省によいことは、国にとってよいことだ」と固く信じていらっしゃるとのだ思う。そこにこそ経営の落とし穴があり、稲盛氏が3年も前に予見し、いま現実に起こっていることの原因がある。
そして、私が当ブログで何度も主張している「現在は日本にとって今世紀最大のビジネスチャンスなのだ」ということをサポートしてくださるように、前書きの最後にこうある。
日本経済には、ものすごいエネルギー、膨大なマグマが溜まっている。それを国民各位に認識してもらうことができれば、それに勝る幸せはない。