たまたま御縁でいろいろお話した。いまどんな本を読んでるのと聞いたら、「Finnegans Wake」と返ってきた。あれってquarkの語源だっけ?と聞いたら、いや、Edgar Alan Poeの「The Raven (Dover Fine Art, History of Art)」の中で使われているのを引用しているだけなんだよ、と。そうだったの???*1
読書の話でもりあがった。「The Catcher in the Rye」とか、「Lord of the Flies (Perigee)」とか、やっぱり必読書といわれている本は、読んでいらした。正直、何冊か読んでないのがあって、若いころにもっと読書をしておくべきだと真剣に思った。とにかく、人がwisdomを得て生きていくために、本は絶対に必要だと、Ray Bradburyの「Fahrenheit 451」をあげていた。あれはすばらしい、と。すかさず「Dandelion Wine」は好きかとたずねたら、いいねぇ、と。じゃあ、SF作家の自伝的な作品では、「Empire of the Sun」はどうだといったら、ああ、あれは映画がすごくよいね、と。
いやはや、サブプライムの問題を話しても、教育の問題を話しても、果ては「箱」の話をしても、これだけ話の通じる米国人とは初めて会った。なんというか、私の下手な英語でもバックグラウンドというか、共通の志があれば、気持ちは通じるのだなとあらためて思った。
最後は、歌で盛り上がった。ちと感動体験だった。
■追記
その後、この米国人の「知恵」とはなにかという話で家人ともりあがった。結論としては、論語のこの節に知恵を得るにはどうしたらよいか、書いてあるのではないか、ということになった。
子曰、学而時習之、不亦説乎。
有朋自遠方来、不亦楽乎。
人不知而不慍、不亦君子乎。
今回、こう読めた。
学んだことは知識にすぎない。これを時と機会に応じて行動し、習うことで初めて自分のものとなる。
志を同じくする朋友が遠くにいたとしても、お互いに切磋琢磨しあえる。朋友との交わりの中にこそ知恵の実践はある。
世間の評判や、この人が好きだとか、あの人が嫌いだという感情にながされないことが、こころの平穏をもたらし、知恵への道へつながる。
今回、正直そこそこ大変な思いをしたのだが、この体験を経たからこそ論語の読み方が変わったのだと感じる。
*1:ウーン、それらしき記述はみつらんのだけど・・・私の聞き間違いだろうか? http://en.wikipedia.org/wiki/The_Raven