まじめに読みつつある。
- 作者: 米田雅子,地方建設記者の会
- 出版社/メーカー: 建通新聞社
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
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本当は郷原先生のお話を聞きに行きたかった。
- 作者: 郷原信郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/01/16
- メディア: 新書
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なかなか諸事情がゆるず、行けないことが判明した。
正直に言っていままであまり同業他社に気を配ってきたことはなかった。「業界」というものも仮想的くらいに思ってきた。しかし、さすがに予想をはるかにこえて事態がすすみつつある今、地域と仕事のはざまで思考しなければならないことがたくさんあることに気づく。
いくつかぬきがきさせていただく。
[米田雅子さん]
(省庁割のために無駄なダムができてるという指摘)報道はもっと勉強してほしいと思う。建設会社だって、地域に役立つ施設を作りたい。財政が厳しいからこそ、省庁間の壁を越えて、地方が最も必要とする社会基盤に対して、最も有効に投資ができる仕組みづくりを急いでほしい。
[桃知利男さん]
「私と私の環境」を再考し、地域と共にある「公共工事という産業」を自己否定的に再構築しなくてはならない。それは公共事業を否定することではなく、「環境」であることを自ら理解し、自らが「環境」の一部であることを、市民社会に向けて主張できるための思考と行動を続けることである。そして情報化の命題はここでも生きることとなる。「情報を発信するところに情報は集う」と。
[山崎祐司さん]
国難を乗り越えるのは「地域」の力しかないと。
一人ひとりの元気が存続し、地域の中で融合し共鳴しあえば、そんな地域だけは活力と共に生き残っていく。そんな地域がさらに広域で共鳴しあえば、国家的な規模での活力となって新たな日本が蘇っていく。
いまが「国難」であるならば、この程度の衝撃はこれまで日本人は何度も乗り越えてきた。
江戸期の人物についての本を何冊か読んでいる。その全人格、全人生、全身体を投じる学びの深さ、使命に対する取り組みの深さに誠に感嘆するのみなのだ。これらの方々が生きた江戸末期が直面した「国難」もすさまじかった。なんといっても中央政府であった江戸幕府の財政が全くのからっぽになり。現在の地方自治体である藩の財政も債務超過していない藩はなかったほどだという。
ただ、いまの危機がこれまで日本人が直面してきた危機と違うのは、それは内部からの、人の問題での崩壊であるという一事であろう。山崎さんが引用した前段でおっしゃっているように「(国難なんて)どうでも良いけど、いったいどうなるのだろう?」という傍観者的な姿勢でしかとらえられないこと自体が危機なのだと信じる。
これから始まる動乱の中では建設業が直面する危機なんて前座の前座程度の意味しか持たないのかもしれない。
そして、この人の問題であることに絶望もし、希望も持つ。