なんとはなしにインフレモードに突入しつつあるのかな、と感じる。クルーグマン先生は、「インフレのコストなんて大したことない」とおっしゃっているけど、一個人あるいは一法人としてみるとかなりの混乱が予測されるように思われる。ようはメニューコストというか、原材料からはじまったコスト高がどのようなタイミングで自分の所得に反映されるか、顧客に反映できるかが問題だと思う。このタイミング、インフレのサイクルに時間がかかりすぎるのであれば、手元不如意という状態になるわけだ。
インフレって何がいけないの?驚くだろうけど、これはなかなか答えにくい質問なんだ。実はこれは、経済分析の世界ではちょっと表ざたにしたくない薄汚い秘密の一つ。インフレって、それはそれはろくでもないものだと思われているんだけど、そのコストを計算してみると、どうがんばっても恥ずかしいくらいの小さい数字にしかならない。
なんだそうです。
だったら、インフレの本当の害はどっからくるの?これはだね、経済にとって本当に有害なのは、物価が上がること自体ではない。むしろ物価が常に変わり続けるので、それが意思決定をゆがめちゃって、結果として経済の効率が下がるということなんだ。
で、これがメニューコストといわれるものなのかな、と。
- 作者: ポールクルーグマン,Paul Krugman,山形浩生
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
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