なんとなく顔がほてる感じがしたので、早めに会社を出た。ドアを閉めてから車の鍵を忘れたらしいことに気づいた。面倒くさいのでそのまま歩き始めた。
今日はよく働いた。途中、昼にレセプションのあった店舗の前を通り過ぎる。自分がかかわった建物に灯がともっているのを見るのが好きだと改めて思った。
そのまましばらく歩き続け、腹が減ったので、これまた以前に自分が仕事でかかわったいきつけの店に入る。
こうして今、カウンターで一人で酒を飲んで、携帯で書いている。中年の男が一人では、格好もつかないがたまにはいいだろう。
年をとるということは、あまりものごとに疑問を抱かなくなることかもしれない。また、年をとるということは、やばい状況で鼻が利くようになるものだ。昔のような底知れない不安におそわれることはない。しかし、同時に自分をかきたてるものもなくしてしまった。
トウィートルズのビー玉のようなものだ。