この国は、しかし、近代民主主義の国の顔をしながら、経済システムも、政治システムも、民間の圧力団体も、マスメディアも、全く近代以前のままだというのはどういうことなんだろうか?しかも、それらの構成員が道徳性というか、倫理性というか、自己利益のみをはかればよいというだけの行為にはしりまくっている。
なんというか、経済についてもものの本によれば中国なみに不動産価格をあげなければGDPがあがってこないという仕組みになっているらしい。権利調整の形もまだ暴力や、弱者を装った強者が介入してこないと解決しないという体たらくだ。
ま、私も人のことを言えた義理ではないのだが、上から下まで手本となり、共感を呼ぶ人物もいない。いや、以前いたのも幻だったのかという気になってくる。
その点、「帝国」を作った中国やローマ、あるいはユダヤ人の人物の描写というのは、実に幻の入るすきまもないほど冷徹であるように感じる。