「死の棘」の島尾敏雄の妻、ミホの作品。美しい南の国の見知らぬ物語にこころひかれる。一人ひとりの人物や、生き物が原色で浮かび上がる。

- 作者: 島尾ミホ
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1987/03
- メディア: 文庫
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やはり、ほんの少し前の時代まで生と死は身近なものであった。現在のように、生も死も遠ざけてしまい、意識の内から出してしまえば、停滞、腐敗につながる。
生と死の感覚ともったいない、思いやり、村の「共有地」といった感覚は案外近いところにあるのだろう。
また、世代の交代と連続感、そして技術の進歩と生活レベルでの適応、選択のスピードのアンバランスが、モダンというのもの特徴なのだろう。腐敗臭をともないながらも。