HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

カウフマンが「銀河ヒッチハイク・ガイド」にこだわる理由

カウフマンは、自己触媒現象から生命が生まれたというアイデアを、きっと「銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)」からつかんだのだ。

穴が存在した無限大分の一秒間は、最もとりそうにない道筋をとって時間のなかをいったり来たり振動した。はるか遠い過去のある時点では、不ぞろいの原子の小集団がこの穴のせいで傷を受け、それまで空虚で静謐な宇宙をあてもなく漂っていたのが互いにくっつき合い、最も驚異的にありえないパターンで結合するようになった。このパターンはあっという間に自己を複製することを覚え(このパターンが驚異的だというのはこのためだ)、それらが漂着したあらゆる惑星で深刻な問題を引き起こした。こうして宇宙に生命が誕生したのである。

振動から、自己複製する原子が生まれて生命ができたとは、なんと適切な非線形な生命の誕生の仕方の記述であろう!ちなみに、スタートレックTNGの最終シーズンの最終話も、自己触媒を思いおこさせる部分がある。

あ、すごい!しかも、「Google」の語源まで「ヒッチハイク」に出てくる。科学用語だとおもってたけど、こっちのが先なのか、後なのか?

コンピューターがコンピューターを設計するというのも、なんかの暗喩かな?それとも、単なる深読みすぎ?あ、そうそう、わかった。チューリングマシンを思い出すんだ。