ロジスティック式の終端近く、あるいは公文先生の言葉を借りればS字カーブの右上のなめらからな部分、端的に行ってしまえば形を変えた寡占状況に再びなりつつあるのだろうか?ここのところのさまざまな提携話を聞いていると問題はやはりプレーヤーの数なのだと気づかざるを得ない。ふたたぶ価格が上昇局面を迎えた業界というのは、ほとんどプレーヤーの淘汰や合併、提携などにより競争が消滅しつつある状態にあるように思える。
一方、いくつかの話題を読んでいる買収案件というのは、高安先生の研究などで暗示されているような、価格を形成する市場に何人のプレーヤーがいるかということがキーになっているような気がうする。つまり、プレーヤーが増えれば増えるほど、ネットワークが巨大化すればするほど、カオス的に価格の上下幅が増すのだ。つまり、うまく動機付けを行い、ほんのちょっと下か上かに価格を誘導してやれば、あとは市場が勝手にvolatilityをまして行ってくれる。これに気づいた相場師たちがいま戦争をしているのではないか?
いずれにしても、寡占が進むのがここ数年の動きであろう。そして、どれだけお金を積んでも買えないものも相対的に増えていく。自己増殖していくお金だけでは、立ち行かない事態が次におきる。というか、そういう事態が起こって初めて「現在の貨幣」に価値を置いた経済体制が転換しうるのだろう。また、これからますます常に価値を生み出しつづける自分の価値、あるいは会社の体制を作り得、保持し得るかどうかが、次の生き残りをかけた争いになってくる。

- 作者: モリス.サイモン・コンウェイ,松井孝典
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/03/20
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本書の示唆するところは大きい。特に、捕食動物が現れたことが食物連鎖のネットワークを複雑にし、カンブリア紀の生物種の爆発を起こした大きな役割だというところに惹かれた。これをもって現在の各種の巨大ファンドといったものが捕食動物であると仮説を立てるのはあまりに荒唐無稽であろうか?企業同士のライバル関係をよく戦争にたとえたりするが、現実その場に身を置けば草食動物の餌場の取り合いといった程度のものだ。なんといか、市場という餌場に対してどのように身を置くかという問題なのだ。そこで実は他社の存在はあまり問題にならない。問題なのは、いわばこうした市場に餌場を求める企業群と、企業買収、超短期の利益を志向する巨大がファンドなどは明らかに異質であると私には思える。お金の価値というものの根幹にかかわる事態ではないだろうか?
ま、いずれにせよこれをフツーの人のレベルから見れば、自分の働くところが短期間でくるくる変わらざるを得ない状況が生まれるという状態以上には見えないはずだ。あるいは、英語を使う機会が増えるとか、そんな感じではないだろうか。