HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

日本人とユダヤ人

日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)

日本人とユダヤ人 (角川文庫ソフィア)

読了して、やはりというかfinalventさんが書いていらっしゃったように「日本人虐殺の危険性」という部分に危機感を覚えた。なんというか、あまりに現状に我々は甘んじているわけだが、これが一旦世界のあり方が変わったときに一気に日本人が迫害や攻撃の対象にならないとは誰にも言えない。

ちょうど「日記」でfinalventさんが「O嬢の物語 (講談社文庫 れ 2-1)」なんて書いたりしたもんだから、「性」の問題についても考え直さなければならないのかもしれないと感じた。ちょっと気恥ずかしい。「O」で言えば、恋人との交わりの途中で、スリッパが擦り切れているのを交換しなければならないとか、考えるシーンが好きだ。そういえば、全編を通してO自身の歓びについてどこにも書いてなかったような気がする。寺山修二のかかわり方というのも検証してみたいと昔から思っていた。

あとは、そう、キリスト教の問題が印象に残った。確かに言われてみれば、ユダヤの流れと今日のキリスト教の間になにか隔絶があるような気がしてならなかった。マルコの福音書とパウロの書簡を読もう。

いや、問題を拡散させずにやはり日本人のネットワークのあり方を通して、先に見えてくるものがあるかという一点にしぼって考えてみたい。