HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

縮小する社会

考えてみれば、個人の所得って結局ひとりひとりがどれだけ稼いだかに他ならない。付加価値をどれだけ産んだかといってもよいだろう。経済学者がなんといおうと私は↓の式以外に稼ぐということをイメージできない。

付加価値=売り上げ−固定費−変動費

この1億2千万人分が国民所得であるなら、消費だの投資だのの形で支払われる「売り上げ」も人口減少の局面では減っていくかもしれないが、当然変動費というべき一人当たりのコストも減っていく。(なぜなら、「変動費=平均コスト×人口」であるから。)

これからの企業の社長の会話はこんな感じになるのだろう。

「いやぁ、うちは今年の売上は−0.5%減でしたよ。消費人口減少率が0.6%でしたから、+.1%の効率アップということですな。」
「それはうらやましい。うちは−0.6%でした。」

ここで一番問題なのは、固定費も年々減っていく人口=売り上げにあわせて減っていかなければならないということだ。そして、それは早いか遅いかに過ぎないのだが、どれだけ人口減少に官能性をもって個々に分かれた固定費が減っていくかが最大の問題になるのだろう。

事業というのは、結局経済学者がよく指摘するように結局みな同じ形になる。あとは、早いか遅いかタイミングにあっているかいないかだけでもうけを保持できるか、損して終わりかがきます。