HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「千年働いてきました」

「うまくいっている老舗は、不思議と三代同居という経験を積んでいる。」

非常に面白かった。

墨攻」を思い出した。

「日本列島が古い酒の瓶か何かに見える」

日本には様々な文物が到来し独自の形で発酵、深化してきた。そこには地理条件だけでないなにかがあった。

人の想いの深さは千年でも伝わるのだろう。

「役に立たない老舗は潰れる」

本書の結論だと言っていいだろう。非常に同感だ。いや、老舗に限らず全ての組織は役に立ち、必要とされることが存続の基盤だ。

「異星の客」

初めてキリスト教が理解できそうな気になった。

さらに彼の宗教は食人に肯定的で、信者が死んだ(「分裂した」と言う)時は、「故人を懐かしみ、いとおしみながら」故人を食べる。入信の際には、信者から一杯の水をもらい、それを飲む。この為この宗教の信者は他の信者の事を「水兄弟」と呼ぶ。

異星の客 - Wikipedia

SFとは反語的表現なのだと思う。いまここにないものを示すことで、逆にいまここを鮮明にする。ネガフィルムで写真を現像するようなものだ(死語)。ハインラインはこのネガポジ関係を自覚的に使えた人ではないか?

異星の客 (創元SF文庫)

異星の客 (創元SF文庫)