HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

女をもって女を制する

離婚すらできない増田氏に同様の状況をなんとか生き延びて、離婚できた私からすると深い同情に駆られる。なにか精神衛生上励ます言葉を伝えたいと考えている内に、自分で答えを出していらっしゃるのではという気持ちになった。

両親が近くに居ない核家族のため、旦那として帰宅後は子供の世話や家事を買って出る。それが我が家にとって「当たり前」となって久しい。昔は感謝の言葉もお互いに出ていたはずなのに、今では家事の工程をひとつでも失念すれば妻から怒号が飛び交う毎日だ。

妻、死なないかな

増田氏の絶望に、短い文章だが「死の棘」に匹敵する根の深さを感じる。

死の棘 (新潮文庫)

死の棘 (新潮文庫)

不思議なのは、島尾の妻、ミホにしろ妻側からすると全く違う情景として描かれること。たぶん、増田氏の妻側にも言い分があり、自分の主張はごく普通のことだと信じているのだろう。

hpo.hatenablog.com

かけてもいい、増田氏の妻は普通に外に出れば人と普通に話し、普通に仕事をする女性なのだと想う。冷静に自分の状況を書ける理性ある増田氏にとって、結婚前の「妻」は「まとも」だったに違いない。家庭の中で怒り狂う女性でも、多くの場合、「外」からの見た目は普通だ。「妻」が自分の「家(うち)」の人間だと認識したとたんに普通ではなくなるのがこの類の女性の特徴ではないだろうか。少なくとも・・・、いや、身内話しは止めよう。

この意味で多世代同居の家庭は自ずと女性同士の様々なパワーバランスが働き、個々には狂気を秘めていても一定の安定が訪れるケースがままある。人生百年時代において実は一番幸せなのは、自分がふるさとと感じる場所で、家族と同居することなのではないだろうか?

「エイジング・イン・ザ・プレイス(その場所で年をとる)」がもっとも幸せなのだという。特に福井の話しが興味深かった。三世代同居がごく普通に行われていて、家族がそれぞれの役割に応じて働いているので、一人一人の所得は低くとも、世帯全体で合計するとかなりの所得になるのだそうだ。

超高齢社会への対応とはふるさと作りにほかならない - HPO機密日誌

これは実際には文字通り「毒をもって毒を制す」なので現代社会の自由を満喫した男女にはそれはそれで耐えがたいのだとは想う。国からも、親からも生き方を規制されない自由は、一方で育児、教育、医療、保険、介護と一生に渡る公共サービスの整備と維持が前提となっている。核家族時代以前はいまでは国や地方自治体等が担う福祉の多くの部分を家庭が担っていた。必然的に多世代同居となり、女同士でバランスを取り、そこに形ばかりの家父長制が日本の形だった。日本はあまりに貧しかったのだ。

ソ連が示したのは、国が徹底的に人生を管理する体制であった。ああ、そう、そういう意味では社会主義国家において女性の狂気の部分をどう制御しているのか?ぜひ聞いてみたいものだ。

ソ連はね、中国には、『子どもの城』というのがあってね、そこでは子どもは自分の好きな教科を勉強できるんだよ。学校とは違う特性を生かせるんだよ。」

年寄りは年寄りのことしか考えていない - HPO機密日誌

自由を求めれば男女で和合できず、大家族では自由が束縛され、福祉を求めれば税金を払わなければならない。誠にこの世は生きにくい。

結論めいたことが書けない自分がなさけない限りだ。増田氏には、耐えている内にはいいこともあるだろうとしか自分の体験からは言えない。

還元ポイント地図

消費税増税がスタート。私が想っていたよりからは混乱無く?、スタートしたのかなと。

www3.nhk.or.jp

www.nikkei.com

多少のトラブルはあっても、増税、軽減税率、還元ポイントとトリプル導入でも、多くの企業さんが立派に対応されているのを見ると感動してしまう。

ついいろいろ言いたくなるが、財務省の方々も当初は決して悪意で企図されたトリプル導入だったのではないと信じたい。中小企業にこれだけ政府のお金を合理的につっこんでくれているのは、感謝すべきなのだろう。

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還元ポイント

https://cashless.go.jp/assets/doc/kameiten_introduction.pdf

更に、私が感激したのは、還元ポイント取り扱い店舗のマップ。お役所仕事の単なるリストではなく、きちんとマップに仕上げたのはさすがに消費者の利便を考えてくれていると。

map.cashless.go.jp

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還元ポイントマップの例

今後、還元ポイントでの消費者がどれだけ店舗を選考するのか、しないのか。どれくらいのスピードで予算が消化されるのか。財務省の担当官の方はやきもきされているのだろう。国会等でどのように情報開示されるのか注視したい。

消費税還元ポイントの事務遅れ

明日から消費税があがる。消費税増税についてはいろいろ言ってきたが、それでも明日は来る。確実に来る。

www.nikkei.com

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消費税

それにしても許せないのは、キャッシュレス決済のポイント還元の事務遅れ。

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キャッシュレス 手続き

キャッシュレス消費者還元事業

ここにちゃんとgo.jpドメインの政府サイトとして「9月6日までに受付した事業者は10月1日からポイント還元を開始できる」という趣旨が書いてある。しかし、実際に私が見聞きしている状況では、通販ECサイトによって見解はまちまちだし、7月に受付した事業者の申し込みすら「まだ役所側で手続きが遅れていてとても10月1日にはポイント還元を開始できない」と聞いている。中小企業対象で大企業は対象とならないので、多くの企業は俺たちは関係ないと静観しているのだろう。いやいや、考えてみれば中小業者にのみ認められるポイント還元のスタートが遅れればおくれるほど大企業に有利になる。

軽減税率という付加価値税ではなく、消費税として不幸な生まれをしてしまった日本の税制のパンドラの箱を開けてしまった公明党と、その申し出を受けてしまった自民党の罪は深い。しかし、それにもまして、次から次へと消費増税の穴埋め政策として複雑な制度を同時スタートしようとしている財務省の罪はどす黒い。

千葉の停電と米国の山火事

以前、米国では山火事は消さないというエントリーを書いた。今回、千葉県の停電はまさに同じべき分布の現象として生じたと考えている。大量の倒木だ。

森林火災を抑えようとすればするほど可燃物が森林の間で増え、かつ森林と森林のつながりが密になり、超巨大火災が起こりやすい状態になるのだそうだ。

べき分布の特徴として、べき分布するさまざまな現象においてその本質的な特徴だけが問題であり、枝葉末節には左右されないことが詳細に本書で述べられている。結果として、森林火災を新型インフルエンザと置き換えても、金融危機と置き換えても同じだということになる。つまりは、適切な危機がないと超巨大な危機が訪れる可能性が高くなるのだということだ。

米人はべき乗則に気づいて山火事を消すのをやめた - HPO機密日誌

千葉県はお陰様で災害の少ない県だと認識されてきた。今回の台風15号は40年ぶりに最大瞬間風速の記録を更新したという。

千葉県内に大きな被害を出した台風15号が通過した9日未明、同県館山市で秒速約52メートルの最大瞬間風速を記録していたことがわかった。海上自衛隊館山航空基地の滑走路上で観測した。

 気象庁の観測記録によると、館山市で過去に観測された最大瞬間風速の1位は50・0メートル(1979年10月19日)。気象庁と海自では観測条件が異なるため単純な比較はできないが、これまでに気象庁館山市で観測した最大瞬間風速を上回ったことになる。

台風15号、館山市で最大瞬間風速52m 記録を更新:朝日新聞デジタル

この40年の間、話題の山武杉を始め着々と植林は進んだ。千葉県は森林法によって開発行為において割と高木を敷地周辺、つまりは道路脇に植えることが義務づけられている。

対象となる開発行為
許可又は届出を必要とする開発行為は、「土や石を掘り出したり、林地を開墾するなどの土地の形質を変える行為」であって、一定の規模を超えるものです。ここでいう、一定の規模とは次のようなものです。

  • 土地の面積が1ヘクタールを超えるもの
  • 道路を作る場合には、幅員が3メートルを超える道路で、その面積が1ヘクタールを超えるもの
林地開発制度について/千葉県

しかも、千葉県は温暖で湿潤なので、高木でもあまり根が深くならない。深くなくとも、風になぎ倒されずに木々は生長してきた。

他、農地の開発しかり、電線のネットワークしかりだ。どなたかが「高知県だったらなぎ倒される木はもうすでになぎ倒されているから同じ台風が着てもこんなに大規模な停電にはならなかった」とおっしゃっていた。まさにその通りだろう。

他にも、千葉県は半島であって広い意味での送電のネットワークに組み込まれているという弱みもあった。

送電経路も千葉県はまず問題ないだろうと想われていたはずだ。当然、大きな意味での複数経路を取れるネットワークからどうしても外れがちであるという半島性は大きい。しかし、今回の台風の教訓として台風に対して強い千葉県を作って行く必要があるのではないだろうか?

日本が台湾になる日 - HPO機密日誌

誰がグレタさんに石を投げられるのか?

あまりに攻撃的な国連スピーチにグレタさんへの背景への詮索や、非難めいた言動が続いている。しかし、誰が彼女の憂慮を責めることができるのだろうか?

gobrintan.hatenablog.com

それでも、私が彼女の発言に共感を持った。それは、我々が第六の大絶滅の鳥羽口にいること、そして、永遠に続く経済成長はおとぎ話であるということの2点。

ちょうど人類絶滅の7つの可能性について書かれている記事を読んだ。いろいろ議論のあるところだが、人類が絶滅するとすれば、いまのところこの7つのうちの一つである可能性が高いと想える。レベルの設定にも議論があるが、7つのうちで地球温暖化は人類のテクノロジーと倫理で制御可能である可能性は高い。*1

  1. 地球温暖化 世界の終わりレベル:3
  2. 人工知能の台頭 世界の終わりレベル:6
  3. 病気 世界の終わりレベル:2
  4. 安全でない食事 世界の終わりレベル:3
  5. 小惑星の衝突 世界の終わりレベル:2
  6. 火山の噴火 世界の終わりレベル:6
  7. 宇宙人の侵略 世界の終わりレベル:未知数
人類絶滅へ導く7つのトリガー、そのとき人類は生存できるのか考察(エスクァイア) - Yahoo!ニュース

これは次の「永遠に続く経済成長」問題にもつながるのだが、現在の安定と幸福を犠牲にしても人類のより長期間にわたる生存に舵を切るのか全人類の問題ではないだろうか?「エンドゲーム」につながるサノスの選択は実は全人類の選択の問題でもある。

サンゴから両生類にいたるまで、多くの生物にとって物事が悪化しつつあるとほとんどの生態学者は認めています。Dunne氏は、サノスが起こした大惨事は私たち自身が引き起こしていることほどひどくはないだろうと考えています。「現在の生物多様性の危機は考えるのも痛ましいほど」と言い、動物の生息数はほとんどの場合、人間の活動によって残酷にも絶滅に向かっていると付け加えています。

サノスが本当に生命体を半分にしてしまったら地球はどうなるの? | ギズモード・ジャパン

私は以前からいまだに地球外の文明とのコンタクトが果たせない、宇宙の沈黙は文明というもののもつ不可避な絶滅という運命を明瞭に答えているように思えてならない。

hpo.hatenablog.com

もし「経済成長(と経済成長を可能とする科学技術の進歩)」が永遠に続くのであれば、電波を超える通信手段や、光の速度を超える移動手段、あるいは少なくとも恒星そのものを文明のエネルギー源にしてしまう技術が既に銀河系のどこかで開発されていてしかるべきだ。しかし、いずれの片鱗も私達は見いだせていない。あるいは、私達はそうした文明に見いだされていない。ほかにもいくらでも論考の余地はあるが、私達の経済成長は永遠でないのは明らかであろう。

政治的な背景など追求すべきことがらはあるが*2、私は一体いま現存している人類の中で誰が彼女を責められるのか、誰が彼女を笑えるのか、はなはだ自分自身が裸の王様であることは謙虚に自覚すべきだと想う。

彼女は子供でした。私たちは皇帝でした。

そして私たちはみんな裸でした。

グレタさんはCO2が見えない

*1:ここで議論はしないが、人工知能研究が本当に人類の絶滅と関係してくるのはまだはるか先。現在の人工知能研究ではいわゆるシンギュラリティは絶対に生じない。
超知性 - HPO機密日誌

*2:「彼女はこれだけ世界の環境について訴えているのに、中国に関してはノーコメント。中国は今世界で1位か2位を争うほどの環境汚染国なのに彼女は中国に関して発言せずにアメリカばかりに批判するのはなんでだろう?大人の都合?」
スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん(16)には恐怖しかない - ミニマリストになりたいコミュ障アラサー腐女子

ジョン・ウィック:パラベラム

飛行機に乗った特権でジョン・ウィックの最新作を公開前に見れた。正直、1作目、2作目を全く見ていなかったが、それでも面白かった。

www.youtube.com

映画『ジョン・ウィック:パラベラム』オフィシャルサイト

もうキアヌ・リーブス大好き!今回のアクションも全くすごい!よくここまでやったと心から褒め称えたい。マトリックスもやっぱりこの人だからあそこまでヒットしたのだろうと、改めて想ってしまう。しかも、この飾らない人柄!

ネタバレにならない程度に内容について言えば、やっぱり日本の任侠映画を制作者達は見ているのではないだろうか。よく「裏街道でも道は道」という意味のことが言われるが、まあ、まさにそうなのだろうと。

ちなみに、タイトルは弾丸の名前から来ている。

現在では世界で最も広く使用されている弾薬であり、民間でもこの弾を使用する小火器が広く使用されている。 さらには第二次世界大戦以降、世界で使用されるサブマシンガン用弾薬の主流でもある。 パラベラムの名はラテン語の諺「Si Vis Pacem, Para Bellum」(平和を望むならば戦いに備えよ)に由来している。

9x19mmパラベラム弾 - Wikipedia

ビデオを探して、これから1作目、2作目を見る。

人生初ハワイ

割と方々に行かせてもらっている方だと想うのだが、ハワイは私にとってVirgin Islnadだった。






ハワイでお会いした方が、「ハワイに来る人って家族と来てても、恋人と来てても、報償旅行で来ていても、みんな人生の充実した時期だから来ているので、悪い人に会ったことがない。なんというか空気、香りがいい」とおっしゃっていた。大変共鳴した。

一時は日系人が25%を占めていたそうだ。現在でも、フィリピン系につぐ十数パーセントを占める。そもそも降り立った空港も「ダニエル K. イノウエ」。

2010年6月28日に最古参であったロバート・バード上院議員が死去したことで、上院で最も古参の議員となり、またこれに伴い慣例に沿うかたちで上院仮議長に選出、亡くなるまで同職にあった。上院仮議長は実質名誉職ではあるものの、大統領継承順位第3位の高位であり、アメリカの歴史上アジア系アメリカ人が得た地位としては最上位のものとなる[1]。

ダニエル・イノウエ - Wikipedia

ぜひまたこの地を訪れたい。

地元が大変な時なのにという想いはあった。以前からこの時期に決めていて変更ができなかった。そこを押してきただけに充実した滞在であったと想う。