HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

橋下徹氏の「実行力」

これはリーダーシップを発揮すべき人はぜひにも読むべき本。

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大きな集団でどうリーダーシップを徹底させるかは大変重要な問題。以前から「リーダーの人間的魅力による人心掌握以外に組織を動かす方法はないか?」悩んでいた。橋下氏は見事に「意思決定までは徹底的に議論をするが、決定事項には必ず従うと事前に了解を取る」ことでこの問題を見事に解決したと。自民党はそういう政治組織であることは有名ではあったが、独自に編み出していることは素晴らしい。とはいえ、意思決定に参加もせず、意思もしめさず、後になってから批判ばかりが巻き起こる組織体もあるので、大阪府大阪市という優秀な方が多い組織だからこそできたという側面はあるのだろう。

なにより自分よりも現大阪市長で盟友の松井一郎氏の方が親分肌で魅力があることを認めている。お二人が出た維新の会の宴会で始まって五分で松井氏は議員仲間に囲まれていたが、自分は一人で鍋をつついていたと認めている。

自民党大阪府議団の政調会長まで務めたが、WTC府庁移転問題を機に考えの相違の理由で[3]新会派「自由民主党・維新の会」を結成。

2010年(平成22年)に橋下徹が代表を務める地域政党大阪維新の会に参加して、幹事長に就任。

松井一郎 - Wikipedia

だから、こそ判断の軸は事前に十分に組織の仲間に説明し、その上で議論を重ね、意思決定を行うという潔さは本当に学ぶべき。

以前、橋下徹氏が生で話している場面を見た。すばらしく本質をついた話しをされていて感激した。どんな組織においても、リーダーが本質を見つめられるか、妥協してしまうかがその組織のパフォーマンスを決めるのだろう。

勝沼葡萄郷

まだ被災されている方々には心苦しい限り。前から一度行ってみたいと想っていた勝沼に行って来た。いまなら特急が止まるのでと。ワインもおいしく、風景もすばらしく、千年前からの葡萄づくり、百数十年前からの葡萄酒づくりが街に行き渡っているのを実感した。





特にルミエールさんのワインはじっくり試飲して堪能させていただいた。次回は絶対にレストランも予約してから来ようと決意。

https://www.lumiere.jp/introduce/www.lumiere.jp





ただ、ちょっと残念なのが割とみんな同じ「勝沼ワイン」になってしまっていること。カーブドッチや、ココファームなど、個性あふれる日本のワインを見たあとだと優等生的になっているのが残念かなぁ。でも、絶対また行こうと決意。

これから1年間は千葉を中心に見所をレポートすることを誓いたい。

日本が台湾になる日

台湾の友達からお見舞いのメッセージをもらった。その中のひと言が私の認識を変えた。

地球の温暖化で、これから日本が台湾の気象になり、台湾はフィリピンになる。

たしかに、台湾は日本と比べて上陸する台風は多いようだ。きちんとした統計は見つからなかった。

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台湾の台風発生回数

異常気象を追う - 台湾の台風

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台風発生回数
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[https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/ranking/landing.html

確かにフィリピンは熱帯にあるだけあって、過去の台風被害もすごいものがある。例えば、2013年の台風30号。

synodos.jp

www.cnn.co.jp

もっと検証は必要だが、千葉県民である私はまだどこかで「今回の台風は特別だ。こんな台風はそうそう来るものではない」という意識があった。今回の台風は、これまで災害の比較的少ない千葉県で安全対策を顧みられなかった古い建物、看板、倉庫、車庫、瓦屋根などが根こそぎ被害にあっている。災害復旧に全力を挙げていらっしゃる東電さんを悪く言うつもりはひとつもないが、送電経路も千葉県はまず問題ないだろうと想われていたはずだ。当然、大きな意味での複数経路を取れるネットワークからどうしても外れがちであるという半島性は大きい。しかし、今回の台風の教訓として台風に対して強い千葉県を作って行く必要があるのではないだろうか?地球温暖化の罪は確かに大きい。

成田空港のBCP

成田空港へのアクセスがこんなに脆弱であるとは想っていなかった。

www.nikkei.com

以前、ある方から空港関係者は災害の時こそ空港に駆けつけられなければならない、そのためにできることはすべてやる、やっているという話しを聞いていた。実際、その方のお会社は災害時に備えて大きなリソースを割いていた。

キャビンアテンダントが空港に来れないという理由でさらに遅延していたのだが、それでもギリギリ。そしてついにゲートクローズ。何人かの人が間に合わなかった。他の便を手配してなんとか来られような話ではあった。機内、キャビンアテンダントの人数もとても少なく、空席もちらほらある。さらに、食事も簡素なものしか提供されないという。ともかくそれを食べて寝る。サンノゼに着いたら、さらに驚きのニュースが待っていた。乗れなかった人が、乗り換えた便は、結局キャビンアテンダントが定数揃わず、フライトがキャンセルされたのだ。

iPhone発表会のはずが……実録! めざせ、成田への道! | flick! | FUNQ [ ファンク ]

この方の体験からもいかにキャビンアテンダントが大切か伝わる。実際、日中にキャビンアテンダントさんを空港に寄せるためにそこまでするのか!ということをしているのを見かけた。これからの防災の街づくりには、空港へのアクセス強化も欠かせないと実感。にしても、自分にできたことがまだあったと深く反省。渦中での決断が大事なのに、なにもできていない。

本当に思考停止となった時、人は…いや、主語が大きすぎる。自分は、「あ、おれ思考停止してるなー」とは決して思わない。 前の晩もあんなに飲んだのに、「成田」で画像検索したTwitterを見ながら、空港で飲む酒は美味しかった。

https://www.buzzfeed.com/jp/daichi/rupo-narita

【ルポ・成田空港】「なんとなく」「とりあえず」で人はきっと死ぬ。成田空港が教えてくれたこと

裏技の一つとして早めにシャトルを走らせている成田のホテルを予約しておけば、空港から脱出しながら宿泊もできる・・・。

2019/09/11 15:39
b.hatena.ne.jp

そうなんだよね、思考停止してしまう。事態をきちんと把握しているはずなのに、目の前のことだけで惚けてしまう。これがBCPがきちんとまわるか否かの最大の障害かもしれない。

それにしても、オリンピックを控え、本来災害時は羽田のバックアップでなければならない成田空港がこんなに脆弱であることを内外に晒してしまったのは、大きな問題だと言える。さらなるBCPにつなげたい。

台風が過ぎて

ここまでの大風だとは想わなかった。午前中のうちに、BCPを確認し、自分が行くべき施設等を見て回った。予想以上ではあったが、なにせ千葉県だし、大事ではない、回復は容易だとまだ想っていた。

これはもしかして大変なことになりかもしれないとおもったのは、午後になっても多くの地域で停電がつづいたこと。近くの病院でも夕方近くになっても復旧しないと。復旧に関する仕事の方では、次々に問い合わせが入ってきて予想をはるかに上回る被害が出ていることを実感していた。私が関与している施設でも、通電しないで四苦八苦していたが、停電ではなくパワーグリッド会社との連絡の問題で有ることが判明し、混乱や、お客様へのご迷惑をおかけすることにはなっても、致命的な問題にはならずに済んだ。

一通りの処理が終わって、自宅に帰ってニュースで成田空港が「陸の孤島」化していたことを知った。

b.hatena.ne.jp

もっとできることがあったと反省しつつ就寝。

小布施の進化

何度目かの小布施。行く度に進化している。しかも、進化のスピードが速くなっている。脅威の街。






特に皮切りのアラ小布施からはじまり、オーベルージュなど宿泊施設が充実したことはこの小布施の進化につながっている。

http://www.obusekanko.jp/enjoys/lodging/www.obusekanko.jp

次に行く時は、ぜひ小布施に泊まりたい。

台風の心配をしながら就寝。

「ひらがなでよめばわかる日本語」

中西進先生の「ひらがなでよめばわかる日本語」を読了した。

ひらがなでよめばわかる日本語 (新潮文庫)

ひらがなでよめばわかる日本語 (新潮文庫)

内容にはついてはウェブ上に素晴らしい解説、説明が存在する。

bookmeter.com

中国語や、他の国からの借用でない、本来の「やまとことば」の豊かさについて中西先生の素晴らしい学識と感性を込めて書かれている。

実は、35年前に私は筑波大学中西進先生の比較文学の講座を受けたことがあった。万葉集はもとより、中国古典、歴史など、深く広いご見識についていけるわけもなくCの成績であったと記憶する。先生の「岩」の永遠性についての日本文学の話を、比較宗教学の授業でつけ刃で学んだエリアーデを引いてあまりに拙いレポートを書いたと記憶する。

本書を読んでいて「草枕」、「たび」の部分で「岩を枕とする」のが死だという話しが出てきた。確か、これは授業で触れていらっしゃったように記憶する。一瞬、比較文学の授業の一場面が私の脳裏に浮かんだ。私のような門外漢がお名前を出すこと自体失礼極まりないとは思うものの、五十代のいま改めてご著書にふれることができたことは喜びだ。

昨日新幹線の中で「ウェッジ」という雑誌を読んで、中西進先生が、「焔」という絵のことを書いていらっしゃった。普通の女性がただすわっている絵なのに、そこに込められた想いの深さ、業の深さについて語っていらっしゃった。目で見えるものと、表現されたものとの違いだと。

男女の愛と芸術の生成の秘密 - HPO機密日誌

雑誌、ウェッジの先生の文章が本になっているようだ。読んでみたい。

日本人の忘れもの〈1〉 (ウェッジ文庫)

日本人の忘れもの〈1〉 (ウェッジ文庫)