「帝国憲法の真実」がずいぶん積ん読してきた本だが、憲法とは条文だけでなくその精神であると気づいた今読めることが幸せ。マッカーサー制定憲法ここにきわまれりだと改めて感じたのが本書の指摘の98条。
第九十八条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
日本国憲法
2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
結論から言えば、倉山氏は、第二項の「日本国が締結した条約」とは、日米安保条約のことだと指摘する。まあ、日本国憲法が制定されたのが昭和21年11月。日米安保が昭和26年。未来のことを盛り込むことはできないが、将来の日米の平和条約、各国との平和条約、あるいは予想されていた連合軍としての国連の憲章の方が、日本国憲法に優先すると読むべきだと。
この(日本の独立の契機となる1951年の)*1サンフランシスコ条約だが、同日ということからも明白なように、米国との間で結ばれた日米安保条約(Treaty Between the United States and Japan)と一体のものである。日本は米国との軍事同盟によって米国から国家承認されたということである。
安保法制が否決されてもおそらく何の変化もないだろう: 極東ブログ
id:finalventさんの指摘されたように日本国憲法と日米安保は表裏一体の関係なのだと改めて思い知らされる。それにしても、戦後70年。もういい加減この呪縛から解放されてもいい。たぶん、米国側は不快感こそ示すかもしれないが、国際法違反、他国の内政干渉であるので、憲法を改定することに異議をあらわすことはできない。日本は負け犬のまま自分で自分を縛っているだけだ。