北鎌倉の円覚寺さんを訪ねて、たまたま開高健の墓を見つけた。奥さんとお嬢さんの名前と共に墓誌に刻まれていた。どなたが供えたのか、トリスの瓶があった。
残念ながら、墓そのものは撮影禁止となっていたので、墓のあたりの風景。
大学生の頃、なにか自分の中で危機感があり開高健をむさぼり読んだ。開高健は「闇」シリーズまで走り続けた。そして、なにもかも失い、ただ釣りに走ったのだと。恋人も、家庭も捨てて。
開高 健(かいこう たけし、かいこう けん[1]、1930年12月30日 - 1989年12月9日)は、日本の小説家。
開高健 - Wikipedia
私は開高健の没年齢を超えて生きていけるだろうか?走り続けていくのだろうか?
そういえば、以前「夏の闇」の「女」のモデルがいるという話しを読んだ。
「輝ける闇」のヒロインは素娥(トーガ)というベトナム女性。秋元啓一カメラマン(註2)が写していた、その素娥の写真を朝日新聞写真部で細川は見たというのだ。
自由人の系譜 開高健(3)「夏の闇」 : 同伴者の本棚
〈素娥は白っぽいアオザイを着て毅然とした様子で立っている。均整のとれたしなやかな肢体。口元にうかんだかすかな微笑。つぶらな瞳。〉と細川は記述する。
中年男は女がいなければ生きていけない。家庭的には不幸であったという開高健は帰国後、なにを女に求めていたのか?