人間を超える知性はそのうちできそうな予感がする昨今、これは面白いテーマ。人智を超えた知性をどうそれらしく表現するかという問題だ。「それらしく」には哲学的な考察があるべきだと私は思う。
この類の話は、始めたものは終わらせなければならないので、超知性の物語をいかに終わらせるかがポイントとなるのだろう。それは、人類との共存になるのか、人類の虐殺もしくは隷従になるのか、あるいは超知性同士の対決となる。最後の類型で印象的なのは、「火の鳥 未来編」だ。
- 作者: 手塚治虫
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そういえば、この類型でテッド・チャンの「理解」がいい線いっている。
- 作者: テッドチャン
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超知性のプロセスではどのようなメタ認識が行われるのか、小説という想像力の形式を使って、人間を超える知性を記号論的に追求している。これこそがチャンの独自の作風であり、読み進めながらチャンという人自身がすでに人間知性を超えているような薄気味悪い印象も与える。
[書評]あなたの人生の物語(テッド・チャン): 極東ブログ
ネタバレは避けたいが、id:finalventさんの書評の通り、超知性の在り方についてよく表現されている。
そうそう、なにより「聖書」があった。「神」という「全知全能」の超知性と人間の物語のありとあらゆる類型が含まれている。