HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

ウレタンの引火性

安藤ハザマの火災事故に衝撃を受けている。ツイッターでみる動画では黒煙がもうもうとたちあがり、大きな火事だと直感した。実際4名もの方が亡くなれるという近年の建築工事現場での災害としては記憶にないほどの規模となった。関係の方々に心からお悔やみを申し上げたい。

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実際には、地下での火災が大部分であったようだ。5,000平米というと、全体が1万7千平米あまりなので10%を超える。実際には火災にあわなかった部分もすす等が付着し、においが取れないなどの問題が生じている可能性がある。また、鉄骨やコンクリートは一定温度以上にさらされると所定の強度がでなくなる変性をしている可能性がある。被害総額はかなりに登るのではないだろうか?

警視庁は、出火元は地下3階で、アセチレンボンベのバーナーを用いたH形鋼の切断作業中に、何らかの原因で断熱材のウレタンに引火したとしている。現場作業員が消火に取り掛かったが、消火が間に合わず延焼した。死者のなかには地上階で作業中の人もいた。東京消防庁によると、地下2階と地下3階の計約400m2に加え、地下3階の下にある免震ピット部分の断熱材が約5000m2が燃えた。

完成目前のビルで大規模火災、免震ピットの断熱材に引火か | 日経 xTECH(クロステック)

現在、検索しても出てこないが人から聞いた話では、ウレタンの横で火花の出る作業を行うことの危険性は十分に自覚されており、消化器を持った作業員がすぐ脇にいたとも聞いた。本来竣工して上水が通り、通電していれば各種の消化設備等が動作したのだろうが、建築中だとそれもままなからなかったのだと想像する。更に憶測だが、鉄骨を切るほどの工事が行われていた段階であればせめて石膏ボード等れ断熱材は保護される部分が未施工であったのかもしれない。

建築材料自体の断熱性、消化性は十分に検証されているが、近年断熱材系統からの火災が多いように思われる。省エネの問題と防火の問題においてまだ十分に検証されていない部分なのかもしれない。日本も熱帯気候に入っていっていることを考えれば、断熱の充実はかなり緊急の課題ではある。

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ウレタンの防火対策もよくよく学んでおきたい。ウレタンも種類によって難燃など防火から見た性能にいろいろ差がある。

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今後をよくよく見守りたい。