HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

稼ぐ意識の希薄化

仕事柄定期的に社会人なりたての人たちと話す機会がある。十数年ずっとそうして若い人達を見てきて、この数年本当に若い人から稼ぐ力への気持ちがなくなったと感じる。いや、そういうと語弊がある。チャレンジするよりずっと手前の安定を志向する傾向が強い。

自分の若い頃は、とにかく一人立ちすることが最重要課題だった。20代前半で結婚したこともあり、とにかく稼がなければならないという危機感が強かった。自立するためには、まず自律だと、自分に重荷を課し続けることが先へさきへと進む道だとしか思えなかった。自分の年代から1世代、10年程度の人間達には同じ匂いを感じることが多い。

次の世代は、割と地域志向が強かった。自分も地域への志向が強い。日本の社会がバブル崩壊の後、世界的な注目を浴びるとか、進出していくとかが困難になっていく中、自分の目に見え、手に触れられる地域への貢献は十分に人生をかけるに値するし、またやりがいも感じられる。若者たちの地域志向はまだ共感できた。

今年社会人になった若者に自立と安定とどっちをとるかと聞いたら、安定だと答えた。自分の心の安定がなによりも大事だと。仕事の成功など興味がない。給与も最低限でいい。ただただ余暇が欲しいと。そうそう、ましてや「稼がないと」という気持ちはまったく感じられない。まあ、真剣に働き方改革をしないと法律で裁かれるよりも先に会社という組織形態自体が消え果てるなと感じている。

ちなみに、十数年前の自分。

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