HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「稲盛和夫の実践アメーバ経営 全社員が自ら採算をつくる」

先日、ある勉強会で稲盛会計学を実践している企業の方のお話しを伺う機会があった。詳細は避けるが、正直いままで「たぶん誤差が大きくてどこかで帳尻を合わせているのだろう」と思い込んでいた。が、大きな間違いだと想った。会計担当のまだ若い方が実によくそのお会社の生産方式から原価、経費の発生まで把握していらっしゃるのが分かった。衝撃を受けてここのところ、稲盛塾長関係のCDを聞きまくり、本を読み直している。

稲盛和夫経営講話全集6「京セラ会計論」

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「一対一対応の原則」など、これまでわかってつもりになっていたことがまだまだ腹に落ちていないことがよくわかった。そんな中、「全社員が自ら採算をつくる」を読んで初めて「時間当り採算表」の意味が伝わった。

稲盛和夫の実践アメーバ経営 全社員が自ら採算をつくる

稲盛和夫の実践アメーバ経営 全社員が自ら採算をつくる

そもそも「時間当り採算表」は必ずしもアメーバ経営の導入が前提ではない。どんな活動でも自分で応用できる。まず、各部門をプロフィットセンターかコストセンターかに明確にわけることが重要。プロフィットセンターであれば、売上げと原価、経費を明確にできる。売上げ、原価、経費がわかればその月、その日稼いだ付加価値が自分で計算できる。この付加価値をその月、その日に自部門で投入した労働時間で割れば時間当たり採算がでてくる。なるほどと想ったのは、コストセンターの経費はかかった時間で配付するという方式。自分の給与からも、会社の経費の発生からも、いかに時間をかけないで採算をあげるかにかかっている。ひとるの商品を作るのにかかる時間がすくなければすくないほど、採算はあがる。このことを実際の生産、実際の営業にかかる従業員にてっていすることは中々難しいものだが、時間当たりで間接部門分のコスト・経費が発生するという考え方であれば、時短をした従業員ほど高く評価され、働き方改革にもつながる。

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私は割と最近になってフィロソフィーとアメーバ、時間当たり採算が一体でなければならないとおっしゃったのかと間違って理解していたが、とんでもないとんでもない。盛和塾のごくごく最初からずっと同じことをおっしゃっている。塾生の私達が早とちりしてどちらだけを先に進めすぎただけの問題であったことに気づいた。

これまた塾長ご自身が主張されているように、日本の物作りの再生はフィロソフィー、アメーバ、時間当たり採算を徹底しないと再生できないと言えるだろう。ここには深いつながりがある。本書において、日航の再生に果たしたフィロソフィー、アメーバ、時間当たり採算についても具体的に述べられている。今後の私の仕事に大きなヒントとなる本だと実感した。とにかく「全社員が自ら採算をつくる」体制を作ることが大事。ここのところの文字を200%くらいに大きくして言いたい。

よくよく勉強を続けたい。