HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

若者の未来が介護でつぶされている

ここのところ、私のまわりで介護を理由に仕事を継続できなくなった20代の若者が複数いる。

こうしたケースは決して珍しいことではないのだろう。

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結構、問題なのはいまの介護保険では若年性の痴呆の場合は、認定のレベルが低くなるため他人任せにできるほど手厚い保険の対象とならないこと。当然、私の周りでは50代、60代でも親や、場合によっては連れ合いの痴呆で仕事を減らして介護をしなければならないという状態にもなっている人たちも出ている。

20代で身内の介護だけという生活になった場合、なにが問題ってその若者が受けるべき職業訓練がまったく受けられなくなること。介護の経験を活かして関連の仕事といっても、コンプラが幅をきかせるいまの時代では正規の教育を受けて資格を取っていなければ施設では働けない。20代のうちだからこそ学べる職場と仕事の基本というのはある。

以前、ある医者から大昔は高齢者の病気の場合、家族の状況を見て治療の度合いを調整していたのだと言っていた。いま、もしそんなことをしたらコンプラどころか、刑法の対象となってしまうだろう。でも、状況にかかわらず全ての命は救われるべきなのだろうか?回復する見込みのない痴呆で家族が暴力をふるわれる、徘徊させないための親族の24時間監視しなければならない。あるいは、食事はもちろん下の世話から床ずれ防止対策までしなければならない老人。本当に救うべき命なのだろうか?

ああ、これが少子高齢社会の現実なのだなと気持ちが黒く塗りつぶされるのを感じる。