HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

センス8 シーズン1

なかなか面白かった。最後まで来て8人が本当につながった。「共感性」こそ、人類に本当に必要ななにかなのかもしれない。

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我々の祖先が他の動物から見れば圧倒的な進歩を果たした社会的な要因は分業だ。現在にいたるも、いかにセグメント化し、その中で専門性を高める以外に人の生産性を高める方法は見つかっていない。ITだの、動機付けだの、マーケティングだのさまざまな課題はあるが、それらはすべて一定領域内での最適なの補助にすぎない。ドラッカーのいうように、企業からしてどのセグメント、どの市場に、どう向き合うかがすべて。内部の効率性などはあとづけの問題でしかない。

分業を可能にしたのは、相手への信頼である。自分の明日の食料の生産を人に任せて、自分は鍛冶仕事に専念するには、よほどの信頼関係が社会の中に強固に構築されていなければならない。この信頼関係のプロセスの最初は男女の性愛だと私は想っている。正確に言えば、性愛がもたらすさまざまな行動だ。本ブログでも様々に取り上げてきた「赤の女王」のテーマだ。

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そして、愛は共感から生まれる。まさにセンス8が示すように、自分の思考と感情を共にする相手を人は愛さざるを得ない。共感は、その人の全人格によるものであり、ルックス、身なり、態度、そして言葉が人の共感を生じさせ、愛を生む。しかし、言葉は嘘をつける。これまた「赤の女王」が示したように、全面的に信頼し合うことを社会制度的に宣言する生活規範であるはずの結婚生活すら、破綻もするし、托卵も行われる。

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センス8が示そうとしているテーマとは、人種も、国も、性別も、性的志向も、社会的な主義主張も、すべて乗り越えても共感が成り立つのだと言うことだ。そう、私は信じる。