HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「福神見温公語」 子孫になにを残すか?

まさにおっしゃるとおり!

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臨済宗の寺宝展、「心は心でとらえられない」で購入してきた日めくりの11日。白隠禅師の書。

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以前、「創業と守成」という話しを何度かしたことがある。その時のスライドの一枚。家を受け継ぐ側からの捉え方。

何を継承するのか?

  • 「跡継ぎ」と小さいころから呼ばれ、自分でも家を継ぐのだと想って育って来た。
  • でも、なにを継ぐのかは明確になっていない。
  • 血のつながりだけではない。
  • 日本は養子縁組、お家元、分家制度など柔軟な継承の仕組みがある。
  • 財産ではない。
    • 資産の価値は変わる。お金の価値も変わる。
    • 長い継承の中では繁栄もあれば、没落もある。
    • 理念、名前、商品、技術?
  • なにを継承するのか?
    • 創業の時の覚悟、自分の覚悟
    • 信頼のネットワーク = 看板

家を継承すること、会社を継承するとはなにか散々考えてきた。いわゆる、「守成」の問題だ。

[中小企業の後継者のパラドックス]
職業選択の自由
優秀なやつは大企業に入り出世する
野心のあるやつはベンチャー企業を創設する
平凡なら普通にサラリーマンになる
したがって、中小企業の後継者になる人間は、優秀でなく、野心がなく、変わったやつ。

守成に必要なもの - HPO機密日誌

結論もなにも、「創業と守成」の問題はどれだけ時間をかけるかではなく、どう覚悟するかに尽きる。先行していく現実に理屈では乗り切れない。そして、またひとつ乗り切ってももう次の代にどう伝えるかの問題が追いついてくる。

いまになって考えてみれば、この「信頼のネットワーク = 看板」こそが、白隠禅師のおっしゃる先祖の残してくれた「陰徳」なのだと強く想う。今日のこの日にこの「書」に出会えたことを感謝したい。