HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

いまここにある通貨の生成と消滅

米国のドラマ、「ミスター・ロボット」が描いているのはまさに通貨の生成と消滅。超巨大コングロマリットと通貨マフィア達が世界中のドルや、ユーロはては元といった通貨を消滅させ、自分達が制御できる新しいデジタル貨幣を生成する物語と読み取れる。

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MR. ROBOT / ミスター・ロボット (字幕版) シーズン2

Season 2に至り、エリオット(達)によって全米レベルでのローン情報をすべて破壊尽くされた超巨大コングロマリット E "Evil"Corpは、米国内の多くの企業とともに危機に直面する。カードによる決済が機能しなくなり、多くの会社や商店が倒産し、ゴミ収集も停止する。電気の供給すらも不安定になる。全米規模の経済危機に直面する。同社辣腕CEOのフィリップ・プライスは、政府財務関連組織のトップ、「ジャック」にかみつく。

Phillip Price (Michael Cristofer): “Jack look at me. I am not the problem here. The problem here is hard cash is fading rapidly. That’s just the way of the world right now. And Bitcoin is spreading. And if Bitcoin takes over, we are all in a world of hell! It is unregulated. It has already reached its transaction volume maximum. And, it is partly controlled by Chinese miners.”


フィリップ・プライス(マイケル・クリストファー):「ジャック、私を見ろ。今ここで私が問題なのではない。今の問題は、現金が急速に消えていることだ。(現金の消滅とは)今まさに世界が向かっている方向なのだ。それに、Bitcoinが広がっている。 Bitcoinが全てを握ったら、私たちはみんな地獄送りだ!Bitcoinは規制されていない。Bitcoinは、すでに取引量の最大値に達している。それに、もうBitcoinは中国の(Bitcoinの)『鉱夫』達によって部分的に支配されている」

Mr. Robot Deals Frankly with Bitcoin and the Future of Money | Foundation for Economic Education

そして、フィリップ・プライスは危機に陥っているドルベースの経済から、E CorpのeCoinベースの経済へと移行すべきだと主張する。そうすれば、すべてが自分お手でコントロールできると。IT技術の生んだBitcoinのような通貨、スマフォを使った決済システムは、ドルを消滅させ、新たな通貨生態系を生むのだと主張する。"Winner takes all"のおそろしいべき乗則ディストピアだ。しかし、いまここにある通貨の生成と消滅の可能性は否定できない。

hpo.hatenablog.com

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安冨歩先生は、通貨の生成と消滅をシミュレーションによって示した。もしかすると、eCoinのディストピアの世界のとば口に私達は立っているのかもしれないと、予感させられる。

全然余談だが、フィリップCEOを演じるマイケル・クリストファーは、SUITSでもCEO役で出ていた。


■追記

ある人から、日本経済新聞の記事を教えてもらった。本当に現実と連動している。

不気味なのは仮想通貨の取引が最も盛んな中国だろう。

 「『比特幣』は虚像」(中国人民銀行)と断じ相場が乱高下した仮想通貨ビットコイン取引を規制した。だが実際には国家戦略として自前の仮想通貨の開発を急いでいる。

フィンテック発達 仮想通貨、中銀も揺るがす :日本経済新聞

――改めてブロックチェーンとは何ですか。


 「一言でいえば、電子的な情報を記録する新たな仕組みだ」

 「ポイントは2つある。1つ目は誰かが管理しているのではなく、自主的に集まったコンピューターの集合体が運営していること。2つ目は、そこに記録された情報は、POW(プルーフ・オブ・ワーク)という新しい仕組みを通じて改ざんできないという点だ。従来型の電子マネーやクレジットカードに置き換わる仮想通貨の信頼性を担保する」

野口悠紀雄氏「ブロックチェーン、社会構造を変える」 :日本経済新聞