岡潔と小林秀雄の対談。小林秀雄の文章はいくら読んでもわかる気がしないのが、この対談はよく伝わる気がする。
- 作者: 小林秀雄,岡潔
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/02/26
- メディア: 文庫
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昨日、クイズ番組で「男性は作品を創る。しかし女性は○○を創る」を埋めよという問題が出ていた。高校生がしばらく考えた上で「女性は男性を創る」と答えたのは立派だった。学問をするにも、社会を構成するにも、まずは「人間の建設」が先だということなのだろう。
岡潔という人は全く知らなかったが、大変共感するところがある。「数学における感情」とは、まさに「数覚」の問題だ。「感情」の問題からアインシュタインと量子力学の矛盾の問題へと論が進んでいる。
もうひとつ、岡潔が二言目には「人類が生き延びれれば」ということを言う。これも百万光年の孤独というか、いまだ知的生命体と接触できないというのは知的生命体があまりにかよわい存在であるという証左である気がしてならない。
個性と理性というか、個性を重んじるのは無明への道だと。自分を捨てて学問の道を進むところにこそ、我ではない、真の個性の発揮があるという話しも感銘を受けた。
先を読むのが楽しみだ。