HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

街らしさ、ふるさとらしさ

台湾から二十年来の旧友が訪ねてきてくれた、日本に出張で来て帰る前日に。私は、ここのところかなり多忙で、夕食だけ一緒させてもらうこととなっていた。夕食に向かう道すがら、「もう早い時間から来ていたんでしょ?街中は見てきたの?」と聞いた。「こう言うのは申し訳ないが、正直、がっかりしている。街が変わりすぎた」と彼は答えた。

「この街の表通りがこの街らしさをどんどん失っている。このままだと、どこにでも出ているお店ばかりが増えて、この街が日本のどこにでもある街並みになってしまう。旅行者はそんなものを見にわざわざこない。昔からの店主達が店を畳んで、貸しビル、貸店舗業になってしまっている。そのペースが速すぎる」と。私の仕事は街づくりに深くかかわっている。少しは、この街らしさを出すことができているとうぬぼれていたが、彼の言葉で一気に目を覚まされた気持ちだった。これから先の仕事にとてもよいヒントをもらったと感じた。

彼に深く感謝したい。