HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

熊本地震における新耐震基準建物

日経アーキテクチャア、ホームビルダー誌のサイトで、今回の地震をめぐる木造建物の被災状況が報告されている。私の浅薄な理解では熊本県は比較的地盤も安定していて、地震も少ない地域だと受け止められていた。ということは、新耐震への建て替えも比較的遅れていたのではないだろうか?

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前震(14日)に耐えた建物も、本震(16日)で相当被害を受けた状況が報告されている。これは、以前エントリーで触れたように今回の本震は木造二階建て建物に影響する1秒から2秒の周期の成分が特に大きかったことからも理解できる。まして、新耐震以前の瓦の想い在来木造は相当な被害が出ていると予想される。仮に前震、本震を耐えた建物でも、一部は損壊しても人が脱出可能な壊れ方をするという建築基準法の考え方の通り、今度人が住むには問題を残した建物が多数存在すると考えられる。被災されている方々には大変残酷な話しだが、補強あるいは建て替えをしようにも、当分時間がかかる可能性が高い。

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まだ昭和55年の新耐震を満たしていない建物が密集している区域も数多い。防火の問題を含めて、かなり根深い。耐震偽装の建物が一時恐怖を持って語られた。あるいは、この度は杭の支持層到達の問題で建物の建てかえが要求されている。しかし、それらよりははるかに耐震性に問題のある何百万という住戸が都内でそのままにされている。

他人ごとではない防災対策 - HPO機密日誌


記事中には少々疑問のある記述もあるが・・・。

木造2階建てのアパートで、1階が完全につぶれていた。土台と基礎はアンカーボルトで固定されているが、土台と隅柱にホールダウン金物がない。このことから、新耐震基準導入以降の住宅だと判断した。新耐震基準導入以降の住宅が、本震の前に倒壊していたと考えられる。

続報が望まれる。