HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「眠れないほどおもしろい百人一首」は確かに眠れなくなるほどおもしろい

これまで散々、百人一首関連の書籍などをあさってきたがこれほどぐっとくるものを感じる本はなかった。

百人一首 の検索結果 - HPO機密日誌

本書ほど明瞭に「掛詞」などの技法を解説してくれた本はない。文学的素養に乏しいので、あえて引用すらしないが和歌の言葉がこれほど選びにえらびぬかれていたとは驚きであった。私からすれば古事記の世界の素朴な歌が百年あまりでここまで洗練された和歌の世界へと接続していることも脅威。

なによりも、当時の恋人達の息づかいまで聞こえるような和歌のやりとりがなまなましい。恋する気持ちは千年前もいまも変わらない。恋人が去ってしまうのではないか、心変わりしてしまうのではないと案ずる乙女は美しい。