HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

軽減税率適用で失われた読売新聞への信頼

なにをいまさらナイーブなことをと言われるだろう。それでも、書かずにいられない。本来あるべき低所得者対策であった消費税10%導入時の財務省の給付案を読売新聞が自分のためにつぶしたと。

読売新聞本社グループの渡邉恒雄会長兼主筆の号令により火蓋が切って落とされた“対財務省戦争”は、読売新聞社側の圧勝に終わった。


共通番号(マイナンバー)の利用範囲を拡大する改正共通番号制度関連法案(改正マイナンバー法)が衆院本会議で可決・成立したのは9月3日。『読売新聞』はその2日後から、財務省が密かに準備していた消費税率を10%に引き上げる際の負担軽減策「消費増税分給付案」反対キャンペーンを大々的に始めた。


以下、同紙一面に掲げられた大見出しである(※印は一面トップ記事)。


「消費税10%時、食料品増税分を給付―財務省案、所得に応じ配分」(5日付朝刊・※)「軽減税率見送り意向―財務相、与党合意に背反」(6日付朝刊・※)、
「消費増税分給付、財務省案実現性欠く―カード全員携帯困難、マイナンバー情報漏えい恐れ」(7日付朝刊・※)

読売新聞が「対財務省戦争」に完全勝利! ~総力上げて還付金案つぶし | 歳川隆雄「ニュースの深層」 | 現代ビジネス [講談社]

ご丁寧に上記のいずれの見出し記事ももはやウェブ上に存在しない。9月後半の消費税関連記事は残っているにもかかわらずだ。魚拓代わりに2chでのスレを転載する。

http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150904-OYT1T50087.html?from=ytop_top


飲食料品、消費税負担を軽減…10%後に給付金
2015年09月04日 14時30分


 消費税率を10%に引き上げる際の負担軽減策の財務省案が4日、明らかになった。 2017年4月に税率が10%に引き上げられるのにあたり、ほぼ全ての飲食料品を 軽減対象とする。


 複数の税率を設けると事業者の経理処理が複雑になるため、いったん10%の税率を 課した上で、払いすぎた税金分を後から支給する方式を導入する方向だ。


 財務省案は、納め過ぎた税を後から戻す還付ではなく、給付金を国民に配る形をとる。 財務省は来週の与党税制協議会に提示し、自民、公明両党が議論を進める。自公両党は軽減制度を16年度の与党税制改正大綱に盛り込み、政府は来年の通常国会に関連法案を提出する予定だ。


 これまでの与党の議論では、軽減税率を適用する線引きとして「酒を除く飲食料品」「生鮮食品」「精米」の3試案を検討してきた。

http://daily.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1441345987/

ちなみに、9月後半の世論調査の記事はちゃんと残っている。

www.yomiuri.co.jp

関係者に話しを聞いてきた。やはり、渡辺恒雄氏が「新聞が売れなくなるだろう!」と激怒し、食品の軽減税率導入をサポートするから新聞は軽減税率の適用をしろと政権に迫ったという話しは真実らしい。渡辺氏の新聞への軽減税率適用の運動は今にはじまったことではないが。

 渡辺氏が率いる読売新聞は、消費税増税の積極グループの一番手だ。2010年11月、読売新聞は元財務次官の丹呉泰健氏を社外監査役として受け入れている。読売新聞としては異例のことだ。そのとき、巷で噂されたのは、マスコミは消費税増税を応援するが、軽減税率の対象として新聞を入れるというものだ。

話題を呼ぶ「ナベツネ書簡」 消費税増税は政局化する|高橋洋一の俗論を撃つ!|ダイヤモンド・オンライン

蓋を開けてみれば、「食品の軽減税率」は「年間」1兆円もの財源を必要とする。軽減税率のために更に消費税をあげるという議論すら出てきた。もはや本末転倒もはなはだしい。

www.sankei.com

380万社に上る中小企業が軽減税率のために私のめのこ概算で一社あたり100万円以上かかるインボイス方式への経理変更費用の合計額や、ましてや財務省案の「導入時」に一回だけかかる3000億円と比べたら、へそで茶をわかすほど間違った政策だ。

hpo.hatenablog.com

私はこの読売新聞の暴挙を決して忘れない。自分の新聞が売れるか売れないかのために、消費税という重要な税制度をゆがめた私利私欲の行動を忘れない。新聞が2%上がったからといって、購読をやめる読者なんては販売員の言い訳。無理矢理に押しつけた部数を更に押しつけられなくなるという口実にすぎない。販売数を減らしても大新聞各位におかれてはクオリティペーパーを目指し続けて欲しかった、健全なる批判勢力であった欲しかった。


■参照