HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

ガウディ展

とにかくすばらしかった。自分がデザインした形を実際の建築物として実現化する技術を含めて、ガウディはやはり天才だと。

Casa Mira

ガウディ建築図鑑 | 特別展 建築家・ガウディ×漫画家・井上雄彦 -シンクロする創造の源泉

カーサ・ミラの模型を見れたのは感激だった。一応、建築で食べているのに、どこからどこまでが個々の世帯だからわからなかった。

ガウディの外壁タイルが割れているのを使っているのも何故か理解できた気がする。ガウディの作品の壁はみな曲面に平面でしか焼けないタイルを貼るにはどうしたらいいか?割ればいい。わって、曲面なりにはりつけ、目地で調整すればいいと。あの複雑な形状を表現するのに、ごくごく具体的な解答をガウディは見つけている。

Gaudi Tiles

ISHIYAMA Hiromichi Blog                        "宇宙とアート": ヨーロッパ40日の旅 9  スペインーバルセロナ Part2

壁の曲面をつくりだすにも、ごくごく単純な手法を使っていたと知った。平行な二本の棒の間に貼った縄を貼ることにより、佐官が壁をぬるのはよく行われている。この二本の棒を平行ではなくよじることによって、曲面をつくる。あるいは、格子状の棒を同じくねじることで曲面をつくる。コンピューターも、CGもない時代に末端の職人にもできる方法を考え示すことができたことが驚異だ。

「逆さづり」の手法の展示もそうだ。鎖をたらすと、放物線を構成する。そうそう、放物線をパラボナというのも今回知った。このパラボナ状の鎖もしくは紐を石膏で固め、上下を逆転すると構造的に力が釣り合う構造体となる。F=maであり、圧縮と引張は同じ単位で表される。従って、引っ張りで釣り合う構造体はそのまま圧縮の力であっても、接合がきちんとしていれば力はつりあう。

展示では、何本もの「パラボナ」を天井から吊り、下に置いた鏡で見せるというやり方をしていた。吊られた何本もの鎖を鏡で見ると、あら不思議、サクラダファリア教会の原型がここにある。

Sacred Familia

http://www.gaudinoue.com/sp_architecture/architecture.html

同じく、サクラダファミリア教会の内部も展示されていた。この内部構造の柱はちょうど人が手を広げた形をしている。同じスペインの建築家サンチャゴ・カラトラヴァを思い出した。

Sacred Familia Inside

サグラダ・ファミリアを訪問!<内観編>|~世界の国から~

そして、六本木ヒルズ近くのミッドタウンの構造体も。

美しきもの、サンチャゴ・カラトラバの作品たち - HPO機密日誌

同行した家族や知人も、ガウディの作品に感動していた。

ちなみに、大変失礼ながらなぜ井上雅彦氏をここにからめる必要があったのか、全く分からなかった。せいぜいイメージイラストを1、2枚提供するだけで十分であったのではないだろうか?ガウディの作品はそれ自体が十分に必要なことを語ってくれている。