先日、垣根涼介の「ボーダー」を読んでから、狩撫麻礼を思い出していた。
- 作者: 狩撫麻礼,たなか亜希夫
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2002/08/01
- メディア: コミック
- クリック: 39回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
これは本当にはちゃはちゃだけど、一本筋の通った漫画だった。年代からいって、この作品に間接の間接くらいには、垣根涼介は影響を受けているのだろう。
で、私の中で狩撫麻礼というと、「ア・ホーマンス」!・・・、のはずだった。
- 作者: たなか亜希夫,狩撫麻礼
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1986/09
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
なんかいまいち読んでもピントこない。このほぼタイトルだけを使った、松田優作の映画版の方が印象が深いからかもしれない。
- 出版社/メーカー: 東映ビデオ
- 発売日: 2005/11/21
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
松田監督の演技指導はすべて「引き算」を基本としていた。これは役を作りすぎてしまわないように、余計なものをそぎ落とす、ということで、たとえば映画冒頭で、ヤクザを演じる片桐竜次の場合。厚手のコート、松葉杖、甲高い裏声などでセリフを言わせ、ありがちな肩をいからせて巻き舌ですごむヤクザ演技を封じた。同様に、当時役者としては素人の石橋には「演技をするな」と指導した。
ア・ホーマンス - Wikipedia
伝わるなぁ、「引き算」。なにより好きだったのが、ARBの石橋凌が恋人役の手塚理美と食事をするシーンだった。石橋凌演ずる山崎はもう戻ってこれないと想っている。それでも、別れは口にしない。ただ、手塚理美演ずる千加の手料理をうまいと言う。それだけ。感激した。