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HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「ギャングスター・レッスン ヒートアイランド2」

思いの外、面白かった。垣根涼介お得意のエロがないなと想ったが、最後の最後ですこし出てきた。

どうしても、私は作品を作者の心情の進展として読んでしまう。まして、今回のような登場人物の成長を扱った作品では、自身の人生がどこかで反映されるものだ。垣根涼介はよい意味で賢い。南米や、某リゾートなど、現地調査もよくよくしている。ストーリーの枝、描写の細部までをきちんと最後までつなげている。その賢さをどう使うかが問題。その意味では本作ではまだ不十分かもしれない。

人間というのは、危機的な状況で育つ。その意味では、本書は実によく構成されている。修行のひとつの句読点が死ぬか生きるかの危機だと。次作「サウダージ」でアキが人としてどこまで成長を見せるかが楽しみだ。

番外編の余談もよかった。女は日常から連れ出してくれるものなら、何でもついて行くと。その通りだなと。また、娘が必要とする母親は家政婦的な役割しかないというのも一面の真理であるだけに悲しい。