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HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

浪江町の風景

先日、福島第一原発の被害に今も苦しむ福島県浪江町に行って来た。衝撃的だった。私のように状況を理解できていないものが浪江町の状況について書くことにためらいがある。それでも、なにも書かないよりはましかと考えられるようになった。

まず、SF映画のような検問に驚愕した。許可証がなければ入れない「帰還困難区域」。車で30分、1時間進んでも人の生活の気配がない。政府の規制により十数キロに渡って、人が一人も住んでいない。「帰還困難区域」のそこここで、政府の基準を超える線量が記録されているという。いるのは、除染作業に従事する方達だけ。除染といっても土を替える作業なので、何百年もかけて作ってきた田畑の表土をはぎとり、里山を丸裸にする作業だ。除染が終わっても、実際の生活を取り戻すには長い長い時間がかかるというのは事実だろう。

実に不幸なことに通常3月の午後は海に向かって風が吹くのに、福島第一原発事故の時には、たまたま福島第一原発事故の時の風向きが悪かったのだと。放射線を含む物質が浪江町の山側の地域ににふりそそいでしまった。このことが、震災復興が遅れている大きな原因といえる。福島第一原発から数キロの海側の地域も見学させていただいたが、線量はまったく問題ないレベルであった。しかし、山側の「帰宅困難地域」を通らないとこの地域に入れないことが復興が遅れている原因だと私には見えた。

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福島 フクシマ FUKUSHIMA 区域再編後の浪江

今年中には常磐高速の浪江インターがオープンするそうなので、状況は改善するかもしれない。

2014年3月10日、内閣総理大臣安倍晋三東日本大震災3周年を前にした記者会見において、未開通の浪江IC-南相馬IC間と相馬IC-山元IC間を2014年中に、常磐富岡IC-浪江IC間を2015年のゴールデンウィークまでに開通させ、常磐自動車道を全線開通させる方針を明らかにした。

浪江インターチェンジ - Wikipedia

その他話せば切りがないほど衝撃的な場面を見てきた。

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この写真は、福島第一原発から6キロほど離れたポイントで撮影した。以前は六百戸あまりが立ち並んでいたという。

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これは、海岸から500メートル以上ある地点で撮りました。この建物は、元は海岸近くにあったという。鉄筋コンクリートの建物が横倒しになり、数百メートルも流されたということが信じられない。

放射能被害については、安全サイドに政府が規制をしなければならない状況にあるのはよくわかるのだが、それによって田畑が破壊され、里山がはげ山になっていく姿を見るのは耐えられなかった。福島原発事故自体が人災だと言える。しかし、放射能の規制によってふるさとが破壊されているのは、さらに人為的な災害だとは言えまいか。低線量での健康被害は立証されていないのに、不安を駆り立てる人たちの影響でこんなにも広く「帰還困難区域」が設定されている。

 政府の原子力災害対策本部(本部長・安倍晋三首相)は7日、東京電力福島第1原発事故で住民が避難している福島県浪江町、富岡町、葛尾村の3町村で避難指示区域の再編案を決めた。浪江町の面積の約8割を5年以上帰れない「帰還困難区域」に指定する。再編は昨年4月から6市町村で実施しており、今回で9例目。

 葛尾村は22日付、富岡町は25日付、浪江町は4月1日付で再編する。帰還困難区域に住居がある人は葛尾村で人口の8%、富岡町で29%、浪江町で17%。3町村合計で8170人が対象となる。

 再編するのは事故発生から間もない2011年4月に設定した警戒区域計画的避難区域放射線量に応じて段階的に住民に帰るよう促すため、除染後に帰還できる「避難指示解除準備区域」、帰還に数年かかる「居住制限区域」、帰還まで5年以上かかる帰還困難区域の3区域に改める。

 再編の焦点は帰還困難区域の線引きだ。国の賠償基準では事故から帰還まで6年以上かかると土地や建物などの不動産を全額賠償する。富岡町、浪江町は一律の全額賠償を求め「事故から6年間は帰還しない」と表明していた。3町村は当初、再編案に難色を示していたが、再編が遅れるほど住民の将来設計に響くと判断して受け入れた。

浪江町の8割「帰還困難区域」に 福島3町村、再編案 / 日本経済新聞

一日も早く、浪江町双葉町の方々のふるさとが取り戻されることを祈ってやまない。