Amazonの投資志向の経営姿勢に提灯記事としか思えない記事がぶくまされていた。
なぜ提灯記事かといえば、投資はあくまで資産勘定なのでBS(貸借対照表)の話なので、直接、損益(ここではNet Income)とは関係ない。損益はIS(損益計算書)の話し。
で、ここを説明したくてかなり時間をかけてエクセルのシートを作った。AmazonのAnnual Reportも見た。
もう力尽きているので、Annual Reportの概況を要約する力もない。ただ言えるのはちゃんと税金ははらっていた。560億円相当。で、どうみても投資が大きいから金利の負担が大きくて損益を赤字にしている感じではない。原価、経費が高すぎるだけ。これだけ独占的な地位を築いているのだから、もっと収益率を改善すべき。時価総額、株価の時価発行等に頼りすぎな経営に私には見える。ちょっと前までそれなりには利益を出していたのだから、いくら勝負時とは言え収益改善すべき。
id:fromdusktildawnさん、いかがでしょうか?
■追記
id:qouroquisさんから、減価償却の考慮がないという指摘があった。おっしゃるとおり。レポートをざっと見た限りではNet Income前に巨額の投資による減価償却の項目が見当たらなかった。
「Income from operatitons」のレベルで売上げの1.1%しか儲かっていないってことが問題。繰り返すがこれより前の項目で巨額の投資による減価償却の項目は私には見つけられなかった。
なんかこんなこと書き始めると証券なんたら法とかで訴えられそうなので、ちょっと恐い。
■追記 その2
id:topisyu さんからCash Flow Statementに償却が載っているという指摘をいただいた。ありがとうございます。
"巨額の投資による減価償却の項目は私には見つけられなかった。"←Cash flow statementに載っていますよ。Amoti含めて2012は$2,159MM。また同期間の支払税金は(繰税除いて)米国で$562MM、世界で$131MMです。※これはISの注記
http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/hihi01/20131027/1382883764
なるほど、確かにCash Flow Statementに載っている。ここから「投資」に関する項目を抜いてみる。
(略)
Depreciation of property and equipment, including internal-use software and
website development, and other amortization 2,159(略)
Purchases of property and equipment, including internal-use software and website
development (3,785)
いわゆる資産に対する減価償却、$2,159MがIncome Statementの各項目に含まれていたので、それをCashの計算では戻しているという意味。これがなければ確かにNet Incomeが2,100億円余りになるといことになる。しかし、減価償却費用負担にも耐えて各企業は利益、Net Incomeを出している。何年で償却しているかわからないが、5年と仮定すれば1兆円余りの償却対象額となる。数十億の赤字企業には考えられない投資総額だ。
ちなみに、今年だけで$3,785Mの投資をしているとある。この3,700億円あまりの投資がすごいと言えばすごい。元記事がここにふれていれば、なにも言うことはなかったんだなと。ただし、しつこいようだがこの3,700億円は、Net Incomeの赤字には直接影響していない。やはり、Amazonはあげるべき利益をあげていないと。