HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

人間は人間

フランクルの解説本を読ませていただいた。まず驚いたのが、著者の諸富祥彦さんが私と同じ大学、同じ学部、同じ主専攻の三っつ上の先輩だと著者の紹介にあったこと。学部生の卒論の時に、私が研究室で大変お世話になったある先輩と同期らしい。

フランクル『夜と霧』 2012年8月 (100分 de 名著)

フランクル『夜と霧』 2012年8月 (100分 de 名著)

自分の幸福を追求すること、人生の意味を追求することでは目的に至らない。表紙の「何かがあなたを待っている、誰かがあなたを待っている」という態度で人生の道を歩むしかないという臨床心理学者フランクルの「コペルニクス的展開」の大切さを伝えてくれている。タイトルとおり、「100分」で名著が理解できる。本書自体が現代の名著だといっていい。

本書の中で、諸富先生自身の体験にも触れられている。人生の意味追及の物語だ。同じ学部、同じ主専攻になるからには、同じような興味、経験を持つのは偶然ではないのかもしれない。「この世を超えた向こう」とまではいかないが、「「麗澤とは太陽天に懸かりて万物を恵み潤すの義や」」という「大学」のことばに、まさに光が指すように.先生と同じ頃、私にもある直観が訪れた。私も、人生の意味を求めて断食をした。成田山の道場で一週間。私には断食はなにももたらさなかったが。