HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

リア王

先日、改めて自分が演じたリア王を見直した。感じるところが多々あった。高校生の頃は、演じるのでいっぱいで全体のストーリー、劇の構成まで全く感じられていなかった。この芝居は、老いの愚かしさ、忠誠の本当の意味、陰謀、淫欲、裏切り、暗殺など、人生の暗い側面が見事に表現されている。ひとごとというなかれ。程度の差こそあれ、年老いた親を巡ってありとあらゆる策謀が現代でも横行している。親をめぐる決闘こそなくなったかもしれないが、裁判沙汰、流血沙汰は現代でも日常茶飯事だ。

陰謀を好む長女ゴネリル、冷酷残酷なリーガン、忠実すぎたコーデリア、そして、老害と化しおろかになったリア。一方、リアの王家と二重の悲劇となるグロスター公のエドガーとエドマンドの対照的な兄弟。黒い色男エドマンドを巡るリーガン、ゴネリルの確執。

またそら恐ろしいことに演じた同級生たちのその後と、役柄の一部が重なる。