HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

書籍で人物眼を養えるか?

山本七平の「指導力」は、他方人物眼について書かれた書籍だとも言える。大宗と趙晋のやりとり、司馬光王安石評価、宋名臣言行録には、人材登用の是非、人物眼のヒントがちりばめられている。

太祖は即位したころ、お忍びで出歩き、民間の様子を伺った。また不意に功臣の家に立ち寄ったりもした。趙普は退廷しても衣服を改めずにいた。
ある日、大雪が降った。夜になって趙普はこんな日だから今日来られることは無いだろうと思った。しばらくすると、門を叩く音がするので、すぐに門の外に出ると、太祖が風雪の中に立っていた。趙普は恐縮して太祖を招き入れた。太祖は言った。
「晋王(後の太宗・趙匡義)とも約束していたのでね」

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問題は、こうした逸話、手法を自分のものにできるかだ。六験、八観なども有名だ。以前はここまでしても人物を評価するのかと思った。実際に組織で経験を積むと、宋名臣言行録にあるように人事が国の運命をも左右するということが実感できる。怒らせる、酔わせる、「養う所」を観るなど、そのためにはごく当たり前の常套手段だ。

図解安岡正篤の人間学: 人間のあるべき姿と真の成功とは - 武田鏡村 - Google ブックス