HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

清瀬一郎氏の「東京裁判」を読み始める

山本七平の「私の中の日本軍」の衝撃からまださめやらない。兵士の視点からいかに日本軍が負けるべくして負けたかということを徹底的に書いている。東京裁判において、陸軍刑法から導かれる「判決」と、本多勝一流の「判決」がなぜ同じになるかとも書いている。どうもこの辺にリーダーシップの在り方と兵隊根性の問題があると考えているが結論が出ない。まがりなりにもリーダーの立場にいると、とにかく成果を出す方にしか思考が向かない。内部をどう統制するかとか考えがち。「組織を改革する反論を封じる組織は滅亡する」とは思う。ただ、統治の倫理と市場の倫理は違う。日本軍の狂気に陥られないままシステム的に暴走して失敗のプロセスこそが恐ろしいのかもしれなとは思う。どうにも結論が出ない。

清瀬氏の「東京裁判」だ。まだ冒頭の数章しか読んでいないが、選良といわれる人たちの中にも良識はあったのだという気になる。これをカバーアップだとみるのか、良識派が全体の「空気」の中に押し殺されていたと見るのかが微妙な点。

秘録 東京裁判 (中公文庫BIBLIO20世紀)

秘録 東京裁判 (中公文庫BIBLIO20世紀)

ま、もっともリーダーにしかできないことってのは、責任を取って腹を切ることだけなのだから。四の五のいわずにだまって果たすべき責任を果たせば良いだけだ。山口浩さんのおっしゃるとおり。

とにもかくにも考え続ける。