HPO機密日誌

自己をならふといふは、自己をわするるなり。

「医者の資格」と「夢の言葉」

先日、ふとんの中でブログのネタについて考えた。日中に看護師の数と患者数の問題を議論していたので、「医師の資格」というテーマが浮かんだ。横になったままこの問題について考え、いくつかのキーワードが浮かび、全体の構想までまとめあげた。すばらしいブログのエントリーになるだろうと予感したのを覚えている。

いつのまにか二度寝してしまった。起きてそのままブログを書き始めようと、画面に向かうと一行も出てこない。素晴らしい構想をまとめたことは記憶しているのに、キーワードすら出てこない。

「夢の言葉」であったらしい。リアルなものよりもリアルに「夢」が感じられる瞬間は恐ろしい。

“夢の言葉”とは、無意識の中でのみ使用可能であるような言語以前の言葉、象徴言語といったような意味であり、“言葉の夢”は、言葉がその固有の構造、結びつきによってだけ生みだせる反現実的世界を示す――SFファンにはおなじみのJ・G・バラードエドガー・ライス・バローズC・L・ムーアレイ・ブラッドベリから島尾敏雄ボリス・ヴィアンルイス・キャロルホルヘ・ルイス・ボルヘスなどまでのはば広い作品の中から幻想のエッセンスを抽出し、作家川又千秋のSFグラフィティをあきらかにした日本SF評論史上の記念碑的作品

ì–”çH’˜u–²‚ÌŒ¾—tEŒ¾—t‚Ì–²v

川又千秋は、「人形都市」という短編集で「夢の言葉」をたぐり寄せる試みをしている。

 「そう、“夢カメラ”というのは、まあ普通のカメラと似たような機能を持った機械……ともかく、そうした機械のようなものと思ってくれていい……もっともどんな形のものか、と言われても困るんだが……まあ、そんなものだ。それを夢のなかへ持ちこんで使うのさ。どう使うって、もちろんその光景を忘れない内に盗みとってくるんだな、まあ、そんないわゆるカメラのように使えるものなんですよ」

人形都市 - 電子書店パピレス

ずいぶん前から絶版になっていたこの短編集が電子書籍になっているのはよろこばしい。再度読んでみたくなる。