「働かないアリに意義がある」を読み始めた。
- 作者: 長谷川英祐
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/12/31
- メディア: 新書
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ハチもアリも、非常に若いうちは幼虫や子どもの世話をし、その次に巣の維持にかかわる仕事をし、最後は巣の外へエサを取りにいく仕事をする、という共通したパターンを示すのです。こういった年齢に伴う労働内容の変化は「齢間分業」と呼ばれており、早くから注目されてきました。
(中略)
つまり、年寄りは余命が短いから死んでも損が少ない、というわけです。
本書のテーマの少なくとも一つはアリなどの真性社会性昆虫のごくかぎられた能力の中で、いかに組織だった秩序を生み出すかということだ。この意味で、長幼の序、敬老の精神といったものは、限られたリソースしかないアリの社会ではできない贅沢なのだということだろう。
現在進行している少子化の原因は、高齢者がのさばっていて若年層が子をなす余裕と空間を持たないということに起因しているということだ。また、子を産まないことがどんどんあたりまえになって行っているが、40歳を超えた出産でも、逆に10代の出産でも特殊出生率をなんとしてもあげることが大事だというあたりまえの結論に達する。
寿命が長くなると絶滅しやすくなる? Population Simulator II: HPO:個人的な意見 ココログ版
もっとも人間社会でも「敬老」はもう望み得ない贅沢になりつつあるのかもしれない。「齢間分業」とはなかなかよいアイデアだ。