鹿児島の方とお会いした。西郷隆盛の銅像が開幕されたときに未亡人が「うちの人はこんな顔じゃなかった」とつぶやいたそうだ。それを鹿児島弁でいうと「やどんしゅじゃかおじゃごはん 」というのだと聞いた。私の日本語のヒアリングがどれだけ正しいかは保証のうちではない。
女性の言葉って独特だなって。
iPodで青空文庫版の「門」を読み始めた。宗助の連れ合いの御米のことばづかいが実に「よくってよ」。夏目漱石の魅力のひとつは、こうした女性の言葉遣いだと私は思う。「三四郎」の美禰子、「それから」の三千代と続く当時の女性的な言葉遣いだ。
「門」の筋立てと場面場面の活写は、実に現代的だ。文物こそ多少新しくなっているかもしれないが、いま現在の街の情景であったり、男女のやりとりであったりとして読んでも少しも違和感がない。百年前も、いまも物売りは物売りだし、男は男、女は女だ。
- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1986/11/29
- メディア: 文庫
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夏目漱石とは実に現代的な作家だ。